インドの経済情報発信メディア”SiliconIndia”で、
Five Most Innovative Social Entrepreneurs“と題した記事が
発表されていました。

選定基準等は不明ですが、いずれもインド国内や世界で、
様々な賞を受賞してきた方々ばかりのようです。

1. Bindeshwar Pathak

インドの社会学者で、インドのパトナ大学より博士号取得。
Sulabh International創業者。
ゴミ漁りをして生活している生活困難者を支援するための団体を設立し、
50,000名以上をボランティアとして導引。
その後、トイレに併設した発酵施設よりバイオガスを生成する仕組みを開発し、
衛生管理とエネルギー生成に同時に貢献。

2. Arvind Kumar Kejriwal

インド政府の透明性確保のために奔走している社会活動家。
最終的にはインド連邦議会にて、
彼の主張した情報公開制度(Right to Information Act)が法整備された。

3. Anita Ahuja

Conserve創業者。デリー大学より政治科学修士号取得。
使用済プラスチックをリサイクルをし、バッグを生産するモデルを確立。
300人を雇用し、売上高約$150,000。
生産されたバッグは、インド国内だけでなく世界各国へ輸出販売されている。

4. Madhav Chavan

インドの社会活動家。米国オハイオ大学より化学博士号取得。
Pratham創業者。
経済的貧困層の子供たちに対し、教育を提供(年間約20万人)。

5. Harish Hande

アメリカのマサチューセッツ・ローウェル大学よりエネルギー工学博士号取得。
SELCO India創業者。
農村部の家屋で太陽光発電を行う事業を行い、目下12万軒に設置。

このブログでは、「企業利益に貢献するCSR活動」という概念について、
これまで何度も紹介してきました。

特に、従来CSRを、
「事業から得た利益を社会に還元するためのコスト」と定義することが多かったのに対し、
最近では、
「社会を利する事業を展開することで得られる利益そのもの」と再定義されてきています。

さらに、これまでCSR活動や持続可能ビジネス戦略といった分野では、
資金にゆとりのある先進国グローバル企業が取り上げられることが多かったのですが、
最近では、新興国企業でも上記の新たなCSRの概念が浸透しつつあります。

その一例として、The Economic Timesが、
インドを代表する企業のひとつReliance社がCSR活動を積極展開していく
という内容を報じました。

この記事からは、同社会長のムケシュ・アンバニ氏が、
下記の2つのことに力点を置いていることが読み取れます。

1. CSRとは、単なるチャリティーではなく、他者を富ませる活動のことだ
2. ビジネスは、株主への利益還元だけでなく、社会への利益還元に基づき、評価されるべきだ。

新たなCSR・サステイナビリティの概念は、
先進国だけでなく、新興国企業にも普及しつつあります。