2012年2月10日に、復興庁設置法に基づき、内閣に復興庁が設置されました。

今日は、復興庁の中身を解説していきたいと思います。

○ 復興庁の役割

復興庁の役割は、復興庁設置法に以下のように定義されています。

① 東日本大震災からの復興に関する内閣の事務を内閣官房とともに
 助けること(内閣補助機能)
② 主体的かつ一体的に行うべき東日本大震災からの復興に関する行
 政事務の円滑かつ迅速な遂行を図ること(分担管理機能)

ここでのポイントは2つあります。

まず、復興庁は内閣の事務をサポートするために設置されています。
すなわち、組織上、内閣の直下に置かれている「庁」なのです。
例えば、金融庁、消費者庁などは、内閣府の下に置かれており、
内閣の直下ではありません。
さらに、復興庁は既存の府省の事務を調整するための昨日を持っているため、
他の府省よりも格上の存在として扱われることになっています。

2つ目のポイントは、東日本大震災という言葉の定義です。
復興庁設置法に置いて、東日本大震災とは、
「東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害」
と定義されています。
すなわち、原発事故からの災害復興も復興庁が担うことになっています。

○復興庁の具体的な事務

復興庁設置法では、具体的な所管事務を以下のように定めています。

① 内閣補助事務
・ 東日本大震災からの復興に関する施策の企画及び立案並びに総合調整
② 分担管理事務
・ 東日本大震災からの復興に関する行政各部の事業の統括及び監理
・ 東日本大震災からの復興に関する事業に関し、関係地方公共団体の要望の一元的な
 受理、当該要望への対応方針の策定、当該対応方針に基づく事業の改善又は推進等
・ 東日本大震災からの復興に関する事業を以下により実施
 ア 必要な予算を一括して要求及び確保
 イ 実施計画の策定
 ウ 事業を自ら執行又は関係行政機関に予算を配分すること等により執行させる
・ 東日本大震災からの復興に関し、関係地方公共団体の求めに応じて情報提供、助言等の協力
・ 東日本大震災復興特別区域法の施行事務
・ 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の施行事務
・ その他東日本大震災からの復興に関する施策に関すること 等

ここでのポイントは、
復興に関する各事業に要する費用を、既存の府省の管轄事項とせず、
復興庁によって一元管理・予算請求されるとしている点です。
これによって、府省による重複予算請求を防ぐとともに、
復興に要するお金の流れをクリアにすることで、
復興債の債権者に対する説明責任を明確にすることができます。

また、関係地方自治体からの要望窓口を一本化することで、
「どの府省の案件かわからない」「複数の府省の管轄にまたがる」とされる
案件を、復興庁が円滑に裁くことが期待されています。
そのため、復興庁が請求する予算は、一般会計ではなく、
平成24年度より新設予定の「東日本大震災復興特別会計(仮称)」において
計上されることとなっています。

○ 復興庁の組織

上記で説明した通り、復興庁は内閣府や内閣官房と並立に置かれています。


※出所:復興庁「復興庁の概要

また、復興庁内部の組織体制は以下となっています。


※出所:復興庁「復興庁の概要

復興庁のトップは内閣総理大臣ですが、復興大臣が実質的には取り仕切ることとなります。
復興大臣と復興副大臣を支える事務方として、
復興庁事務次官や復興庁統括官、統括官付審議官がいます。
復興統括官や統括官付審議官は柔軟にその都度必要な案件を分担して対応していきます。
復興大臣政務官は各復興局を担当し、復興局長を指揮し、事務を遂行します。
統括官付参事官も統括官や審議官、局長の指示のもと、柔軟に案件を処理していきます。

発足時の各人事は以下となっています。

内閣総理大臣:野田武彦
復興大臣:平野達男
復興副大臣:末松義規
      松下忠洋
      中塚一宏(内閣府副大臣と兼務)
復興大臣政務官:郡和子(宮城復興局等担当)(内閣府大臣政務官と兼務)
        大串博志(内閣府大臣政務官と兼務)
        吉田泉(福島復興局・茨城事務所担当)(財務大臣政務官と兼務)
        津川祥吾(岩手復興局・青森事務所担当)(国土交通大臣政務官と兼務)
復興庁事務次官:峰久幸義
復興庁統括官:岡本全勝
 (局長級) 上田健
復興庁統括官付審議官:佐川宣寿
 (局次長級)    伊藤仁
復興庁政策参与:鉢村健政(復興庁統括官付審議官と併任)
復興庁岩手復興局長:井上明
復興庁宮城復興局長:澤田和宏
復興庁福島復興局長:諸橋省明
復興庁統括官付参事官:青木由行
 (課長級)     安東義雄
           石塚昌志
           太田秀也
           岡本直樹
           尾澤卓思
           尾関良夫
           亀村幸泰
           木村実
           串田俊巳
           栗田卓也
           小林祐一
           阪口進一
           阪本克彦
           田島淳志
           寺岡光博
           中石斉考
           中島慶二
           福井仁史
           藤澤美穂
           前島明成
           村手聡
           森重樹
           諸戸修二
           山田英樹
           由良英雄
復興庁岩手復興局次長:菅井雅昭
復興庁宮城復興局次長:稲田幸三
復興庁福島復興局次長:濱邉哲也
職員:約250人(常駐のみ)(うち定員:118人)
   岩手復興局(22人)
   宮古支所(2人)
   釜石支所(4人)
   宮城復興局(24人)
   気仙沼支所(3人)
   石巻支所(3人)
   福島復興局(23人)
   南相馬支所(2人)
   いわき支所(2人)
   青森事務所(2人)
   茨城事務所(3人)   

<復興庁本庁の組織図>

※出所:復興庁「(参考資料1)復興庁の体制

<復興庁復興局の組織図>

※出所:復興庁「(参考資料1)復興庁の体制

各復興庁内組織の所在地と連絡先

■復興庁
〒107-0052 東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル
TEL 03-5545-7230(代表)

■岩手復興局
〒020-0021 岩手県盛岡中央通1-7-25 朝日生命盛岡中央通ビル6階
TEL 019-654-6609(代表)

■宮古支所
〒岩手県宮古市五月町1-20
岩手県宮古地区合同庁舎(県施設)内

■釜石支所
〒岩手県釜石市新町6-50
岩手県釜石地区合同庁舎(県施設)内

■宮城復興局
〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町4-6-1
仙台第一生命タワービル13階
TEL:022-266-2163、2164(代表)

■気仙沼支所
〒宮城県気仙沼市笹が陣3-5
気仙沼市シルバー人材センター(市施設)内

■宮城県石巻支所
〒宮城県石巻市新境町1-1-7
セシカ117内

■福島復興局
〒960-8031 福島県福島市栄町11-25 AXCビル7階
TEL:024-522-8514、8515、8519(代表)

■南相馬支所
〒福島県南相馬市原町区小川町322-1
サンライフ南相馬(市施設)内

■いわき支所
〒福島県いわき市平字堂根町4-11
いわき地方合同庁舎(国施設)内

■青森事務所
〒青森県八戸市大字尻内町字鴨田7
青森県八戸合同庁舎(県施設)内
TEL 0178-27-5251

■茨城事務所
〒茨城県水戸市北見町1-11
水戸地方合同庁舎(国施設)内

また、復興庁には、復興推進会議と復興推進委員会が置かれています。
復興推進会議とは、閣僚級の調整機関です。
復興推進委員会とは、有識者による助言機関です。

復興推進会議
議長:野田武彦 内閣総理大臣
副議長:平野達男 復興大臣
議員:その他すべての国務大臣
   副大臣、大臣政務官、関係行政機関の長のうち議長の指名する者

復興推進委員会
委員長:五百旗頭真(防衛大学校長、神戸大学名誉教授)
委員長代理:御厨貴(東京大学教授)
委員:飯尾潤(政策研究大学院大学教授)
   牛尾陽子(財団法人東北活性化研究センターアドバイザリーフェロー)
   大井誠治(岩手県漁業協同組合連合会代表理事会長)
   岡本行夫(東北漁業再開支援基金・希望の烽火代表理事)
   清原桂子(兵庫県理事)
   佐藤雄平(福島県知事)
   重川希志依(富士常葉大学大学院環境防災研究科教授)
   達増拓也(岩手県知事)
   星光一郎(福島県社会福祉施設経営者協議会長)
   堀田力(弁護士、公益財団法人さわやか福祉財団理事長)
   村井嘉浩(宮城県知事)
   横山英子(㈱横山芳夫建築設計監理事務所代表取締役社長)
   吉田文和(共同通信社論説委員)

さらに、震災後、政府の復興体制は、
東日本大震災復興対策本部・緊急災害対策本部・原子力災害対策本部の
3本部体制で進められてきました。
※詳しくはコチラ

今回、東日本大震災復興対策本部が、復興庁として組織が確立したことに伴い、
この3本部体制も、1庁2本部体制へと移行しています。


※出所:復興庁「(参考資料1)復興庁の体制

その中で、復興庁は、原子力発電所災害の復興を担うとしつつも、
実質的には原子力災害対策本部と役割を分担して担当していくかたちになっています。
下図のように、除染、国民の健康状況把握、補償・賠償などは原子力災害対策本部が、
それ以外の復興のためのインフラ整備、予算の手当などは復興庁が、
担当していくようです。


※出所:復興庁「(参考資料1)復興庁の体制

○復興庁の予算

平成24年度復興庁予算として、復興庁は総額3兆7,754億円を要求しています。
※出所:復興庁「平成24年度復興庁予算(案)の概要

(1) 東日本大震災復興交付金       2,868億円
(2) 東日本大震災復興調整費         50億円
(3) 福島避難解除等区域生活環境整備事業   42億円
(4) 復興特区支援利子補給金         11億円
(5) 復興関係事業費の一括計上      17,429億円
(主な内訳)
・公共事業等              4,881億円
・原子力災害復興関係          4,569億円
・災害廃棄物処理事業          3,442億円
・災害関連融資             1,210億円
(6) 復興庁一般行政経費           33億円
合計                  20,433億円
(7) 全国防災対策及び警察等の災害対処能力向上に係る経費や震災復興特別交付税等
                    17,321億円
総額                  37,754億円

ひとまず、復興を促進めるための復興庁が発足しました。
しかしながら、あくまで復興の主体は国ではなく地方自治体であるというのが、
復興の基本方針です。
皆さんの県市町村レベルでの支援をよろしくお願い致します。

ここ数年、企業に対して、ESG(環境・社会・ガバナンス)分野に関する法規制が、
欧米諸国を中心に強化しつつあります。

今回は、その中でも特に重要だとされているものをご紹介します。
BSRのレポートを参考にしました。

〇 U.K. Bribery Act 2010(2010年イギリス贈収賄防止法)

イギリスで2010年4月に制定された贈収賄防止法が、2011年4月に施行されます。
この法律は、過去になく適用範囲が大幅に拡大されているのが特徴です。
通常の贈収賄防止法は、国内に上場または登記している企業が対象なのですが、
この法律は、適用範囲が国境を超える、域外適用を認めています。

例えば、登記していなくても、イギリス国内の企業や個人と販売・調達の取引がある、
イギリス国内を通過する物流を行っているなど、なんらかの事業活動のつながりが、
イギリス国内にあれば、その企業は適用範囲となります。

また、イギリス国民に対しては、国外にいても適用されます。

そのため、日本に登記をしている企業が、インドで贈収賄行為を行ったとしても、
その企業がイギリス国内でも事業をすれば、その贈収賄行為にもこのイギリス法が
適用され裁かれます。

また、「贈収賄行為」の範囲も例のないほど拡大され、
いかなる「便宜行為」も例外として認められません。
企業や個人が、自分の利益のために、他者・他社に対して金品を渡す行為は、
すべて「贈収賄行為」として認識されます。
間に代理人等を介して行う場合でも、訴追されます。

この法を犯した場合は、個人に対し10年以下の懲役または禁錮が課せられます。
刑期の長さでも他に例を見ません。
例えこの法律に対する認識がなかったとしても、同法律は適用されます。
 

〇 U.S. Dodd-Frank Act(ドッド・フランク法)

この法律そのものは、リーマンショック後の金融規制強化のために制定されましたが、
同法1502条に、コンゴ民主共和国の紛争資源に関わる条文が盛り込まれています。

同法自体は2010年夏に制定されていますが、紛争資源に関わる詳細は、
SEC(アメリカ証券取引委員会)に審議に委ねられており、
SECは2011年4月に最終ルールを施行する予定としています。

紛争資源として定められているのは、錫、タンタル、タングステン、金の4種類。
そのほか、SECが必要と定めた場合には、他の鉱物も追加されます。

この法律の適用対象者は、アメリカで株式上場をし、さらに、上記の4種類の鉱物を
原料として必要とするすべての製造業者。
これらの企業は、この4種類の鉱物の原産国が、
コンゴ民主共和国および周辺諸国(スーダン、中央アフリカ、コンゴ共和国、アンゴラ、
ザンビア、マラウィ、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア)であるかどうかを
開示しなければなりません。
原料の直接の購入者でなくとも、調達先をたどり原産国を特定する必要があるため、
サプライチェーンの途中にいる企業に対しても事実上同様の努力が課せられることとなります。

ルールとして定められている要求事項は、
・原産国がコンゴ民主共和国および周辺諸国であるかどうかを開示しなければならない。
・原産国が当該諸国でない場合は、それを第三者機関などが認証しなければならない。
・原産国が当該諸国である場合や判断できない場合は、「紛争鉱物報告書」を作成しなければならない。

罰則については現在、SECにて検討されています。
 

〇 California Transparency in Supply Chains Act(カリフォルニア州サプライチェーン透明法)

カリフォルニア州で2010年9月に制定された州法です。
米国で社会問題となっている人身売買の防止を強化するために定められました。

カリフォルニア州内のすべての企業は、人身売買を防止するための取組につして、
ホームページ上などで公開することが義務付けられています。
また、国際人権規約を順守することも、同様に義務付けられています。
 

〇 EU Flegt Law(EU木材規制)

2010年にEU域内27か国に適用される木材規制が制定されました。

これは、違法な方法で伐採・生産された木材製品の取引を禁じるものです。

同法は2013年3月3日に施行され、以後、EU域内の木材取引企業には以下の義務が課されます。
・違法な方法で伐採・生産された木材製品の取引の禁止
・全ての木材製品がEU域内に持ち込まれた時点で、違法性有無のデューデリジェンスを実施。
・トレーサビリティ確立のため、全ての木材製品取引において買い手と売り手の記録。
 

〇 OECD Guidelines on multinational enterprises(OECD多国籍企業ガイドライン)

2011年5月に制定されたガイドラインで、環境、労働環境、人権、賄賂などについて、
多国籍企業が守るべき事項が書かれています。

こちらは法律ではありませんが、42か国が同ガイドラインに採択しており、
企業が自主的に守るべき規制として、今後認識されていく可能性が非常に高いです。

〇 UN Guiding Principles on Business and Human Rights(国連ビジネスおよび人権原則)

こちらも人権について書かれた国連のガイドラインで、2011年6月に制定されました。

企業経営において守るべき人権項目が説明されています。

OECDガイドラインと同様、法律ではありませんが、国連の人権委員会で採択されたものであり、
国内法の規制強化へと方向づけるものになる可能性があります。

 

企業のグローバル化とは、海外の法規制に対してもアンテナを張り、
順守していく努力を必然的に伴います。
今回紹介したものは、ぜひ日本のグローバル企業の皆さんにも知っておいて頂きたいと思う
ものたちばかりです。

6月24日に公布・施行された東日本大震災復興基本法に基づき、東日本大震災復興対策本部が設置されました。

さらに、同日、東日本大震災復興対策本部令(政令182号、全文後述)が公布され、
具体的な組織運営の詳細が定められました。

震災復興を担う、政府の体制は以下の通りとなっています。(敬称略)

東日本大震災復興対策本部

本部長:  菅直人(内閣総理大臣)
副本部長: 枝野幸男(内閣官房長官)
      松本龍→平野達男(復興対策担当大臣)
本部員:  片山善博(総務大臣・内閣府特命担当大臣)
      江田五月(法務大臣・環境大臣)
      松本剛明(外務大臣)
      野田佳彦(財務大臣)
      髙木義明(文部科学大臣)
      細川律夫(厚生労働大臣)
      鹿野道彦(農林水産大臣)
      海江田万里(経済産業大臣)
      大畠章宏(国土交通大臣)
      北澤俊美(防衛大臣)
      中野寛成(国家公安委員会委員長)
      自見庄三郎(内閣府特命担当大臣)
      細野豪志(内閣府特命担当大臣)
      与謝野馨(内閣府特命担当大臣)
      玄葉光一郎(内閣府特命担当大臣)
      仙谷由人(内閣官房副長官)
      福山哲郎(内閣官房副長官)
      瀧野欣彌(内閣官房副長官)
      津川祥吾(岩手現地対策本部長・国土交通大臣政務官)
      末松義規(宮城現地対策本部長・内閣府副大臣)
      吉田泉(福島現地対策本部長・財務大臣政務官)
      山口壯(内閣府副大臣・対策本部本部長補佐)
      阿久津幸彦(内閣府大臣政務官・対策本部本部長補佐)
      松下忠洋(経済産業副大臣)
      浜田和幸(総務大臣政務官)
幹事:   山本庸幸(内閣法制次長)
      浜野潤(内閣府事務次官)
      安藤隆春(警察庁長官)
      三国谷勝範(金融庁長官)
      福嶋浩彦(消費者庁長官)
      岡本保(総務事務次官)
      大野恒太郎(法務事務次官)
      佐々江賢一郎(外務事務次官)
      勝栄二郎(財務事務次官)
      清水潔(文部科学事務次官)
      阿曽沼慎司(厚生労働事務次官)
      町田勝弘(農林水産事務次官)
      松永和夫(経済産業事務次官)
      竹歳誠(国土交通事務次官)
      南川秀樹(環境事務次官)
      中江公人(防衛事務次官)
事務局長: 峰久幸義(内閣官房内閣審議官・元国土交通事務次官)
事務局次長:岡本全勝(内閣官房内閣審議官・前内閣府大臣官房審議官)
      上田健(内閣官房内閣審議官・前国土交通省大臣官房審議官)
      佐川宣寿(内閣官房内閣審議官・前財務省大臣官房審議官)
事務局員: 参事官(25人以内)を含め62人

岩手現地対策本部

本部長:  津川祥吾(国土交通大臣政務官)
本部員:  関係地方行政機関の長
事務局長: 井上明(内閣官房内閣審議官・前水産庁資源管理部長)
事務局員: 常駐4人、非常勤20人

宮城現地対策本部

本部長:  末松義規(内閣府副大臣)
本部員:  関係地方行政機関の長
事務局長: 沢田和宏(内閣官房内閣審議官・前国土交通省東北地方整備局副局長)
事務局員: 常駐4人、非常勤20人

福島現地対策本部

本部長:  吉田泉(財務大臣政務官)
本部員:  関係地方行政機関の長
事務局長: 諸橋省明(内閣官房内閣審議官・前総務省自治財政局公営企業課長)
事務局員: 常駐4人、非常勤20人

東日本大震災復興構想会議

議長:   五百籏頭真(防衛大学校長、神戸大学名誉教授)
議長代理: 安藤忠雄(建築家、東京大学名誉教授)
      御厨貴(東京大学教授)
特別顧問: 梅原猛(哲学者)
委員:   赤坂憲雄(学習院大学教授、福島県立博物館館長)
      内館牧子(脚本家)
      大西隆(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授)
      河田恵昭(関西大学社会安全学部学部長・教授、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長)
      玄侑宗久(臨済宗福聚寺住職、作家)
      佐藤雄平(福島県知事)
      清家篤(慶應義塾塾長)
      高成田享(仙台大学教授)
      達増拓也(岩手県知事) 
      中鉢良治(ソニー株式会社代表執行役副会長)
      橋本五郎(読売新聞特別編集委員)
      村井嘉浩(宮城県知事)

東日本大震災復興構想会議・専門委員会

部会長:  飯尾潤(政策研究大学院大学教授))
部会長代理:森民夫(全国市長会会長、長岡市長)
専門委員: 五十嵐敬喜(法政大学法学部教授)
      池田昌弘(東北関東大震災・共同支援ネットワーク事務局長、
       特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター理事長)
      今村文彦(東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授)
      植田和弘(京都大学大学院経済学研究科教授)
      大武健一郎(大塚ホールディングス株式会社代表取締役副会長)
      玄田有史(東京大学社会科学研究所教授)
      河野龍太郎(BNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミスト)
      西郷真理子(都市計画家)
      佐々木経世(イーソリューションズ株式会社代表取締役社長)
      荘林幹太郎(学習院女子大学教授)
      白波瀬佐和子(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
      神成淳司(慶応義塾大学環境情報学部准教授)
      竹村真一(京都造形芸術大学教授)
      團野久茂(日本労働組合総連合会副事務局長)
      馬場治(東京海洋大学海洋科学部教授)
      広田純一(岩手大学農学部共生環境課程学系教授)
      藻谷浩介(株式会社日本政策投資銀行地域振興グループ参事役)

この東日本大震災復興対策本部のほかに、
政府のその他2つの対策本部、すなわち、
「緊急災害対策本部」「原子力災害対策本部」があり、
この3つの対策本部で政府の震災対策が実行されています。
(3つの対策本部の守備範囲についてはコチラ及びコチラ

=======================================================

東日本大震災復興対策本部令(政令182号)

内閣は、東日本大震災復興基本法(平成23年法律第76号)第17条第2項及び第23条の規定に基づき、この政令を制定する。

(現地対策本部の名称、位置及び管轄区域)
第1条 東日本大震災復興対策本部(以下「本部」という。)に置かれる現地対策本部の名称、位置及び管轄区域は、次のとおりとする。
名称 位置 管轄区域
岩手現地対策本部 盛岡市 岩手県
宮城現地対策本部 仙台市 宮城県
福島現地対策本部 福島市 福島県

(東日本大震災復興対策本部長補佐)
第2条 本部に、東日本大震災復興対策本部長補佐(以下「本部長補佐」という。)2人を置く。
2 本部長補佐は、内閣官房副長官又は関係府省の副大臣若しくは大臣政務官たる東日本大震災復興対策本部員のうちから内閣総理大臣が任命する者をもって充てる。
3 本部長補佐は、東日本大震災復興対策本部長(以下「本部長」という。)の命を受け、本部の事務局(以下単に「事務局」という。)の事務の総括及び事務局の職員の指揮監督に係る本部長の職務について本部長を補佐する。

(東日本大震災復興構想会議の議長及び委員の任期等)
第3条 東日本大震災復興構想会議(以下「会議」という。)の議長及び委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の議長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 議長及び委員は、再任されることができる。
3 議長は、会務を総理する。
4 議長及び委員は、非常勤とする。

(会議の議長代理)
第4条 会議に、議長代理2人以内を置き、委員のうちから内閣総理大臣が任命する者をもって充てる。
2 議長代理は、議長を補佐し、議長に事故があるときは、その職務を代理する。議長代理が2人置かれている場合にあっては、あらかじめ議長が定めた順序で、その職務を代理する。

(会議の特別顧問)
第5条 会議に、特別の事項について助言を求めるため必要があるときは、特別顧問1人を置くことができる。
2 特別顧問は、卓越した識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命する。
3 特別顧問は、非常勤とする。

(会議の専門委員会)
第6条 会議は、専門の事項を調査させるため必要があると認めるときは、その議決により、専門委員会を置くことができる。
2 専門委員会は、当該専門の事項に関して優れた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命する委員20人以内をもって組織する。
3 委員は、非常勤とする。
4 専門委員会に委員長を置き、当該専門委員会の委員のうちから会議の議長が指名する。
5 委員長は、当該専門委員会の事務を掌理する。
6 専門委員会は、その設置に係る調査が終了したときは、廃止されるものとする。

(事務局次長)
第7条 事務局に、事務局次長3人以内を置く。
2 事務局次長は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。
3 事務局次長は、事務局長を助け、局務を整理する。

(事務局の参事官)
第8条 事務局に、参事官25人以内を置く。
2 参事官は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。
3 参事官は、命を受けて、局務を分掌し、又は局務に関する重要事項の審議に参画する。

(現地対策本部事務局長)
第9条 現地対策本部事務局に、現地対策本部事務局長を置く。
2 現地対策本部事務局長は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。
3 現地対策本部事務局長は、当該現地対策本部に係る現地対策本部長の命を受け、当該現地対策本部事務局の局務を掌理する。

(事務局長等の勤務の形態)
第10条 事務局長、事務局次長及び参事官並びに現地対策本部事務局長は、その充てられる者の占める関係のある他の職が非常勤の職であるときは、非常勤とする。

(本部の組織の細目)
第11条 この政令に定めるもののほか、本部の組織に関し必要な細目は、内閣総理大臣が定める。

(本部の運営)
第12条 この政令に定めるもののほか、本部の運営に関し必要な事項は、本部長が本部に諮って定める。

附 則

(施行期日)
第1条 この政令は、公布の日から施行する。

(職員の退職管理に関する政令の一部改正)
第2条 職員の退職管理に関する政令(平成20年政令第389号)の一部を次のように改正する。
別表第1内閣の項中
「国家公務員制度改革推進本部に置かれる事務局」を
「国家公務員制度改革推進本部に置かれる事務局
 東日本大震災復興対策本部に置かれる事務局 」に改める。

2011年4月12日で、カリフォルニア州で新たな法案が成立しました。

「2020年までに電力の33%を再生可能エネルギーで供給することを義務付ける」

カリフォルニア州では、2006年に、
2010年までの電力20%再生エネルギー化法案が可決しており、
成立しており、今回、それを20%から33%に大幅に上昇させたことになります。

再生可能エネルギーについて「33%」という高い目標は前例がなく、
野心的な目標と評されています。

この法案に署名をしたジェリー・ブラウン州知事は、背景についてこう語っています。

この法案はカリフォルニア州に重要な利益をもたらす。州内のグリーンテクノロ
ジーへの投資を刺激し、何万もの新たな雇用を創出し、州の大気の質を改善
し、エネルギー自給率を高め、温室効果ガスを削減する
※原文はコチラ

実は、同様の法案は、2008年にも議会を通過していました。
しかし、当時のシュワルツェネッガー州知事は、33%は非現実だとして署名を拒否。
法案を成立させるかわりに、拘束力の弱い「州知事令」として施行しました。

今回の法成立については、昨今のエネルギー事情が大きく影響していると思われます。
北アフリカ・中東アジアにかけての政情不安による原油価格の高騰。
日本での原発事故による原子力発電に対する批判的な意見の増加。
メキシコ湾原油流出事故による原油採掘見通しの後退。
いずれも、再生可能エネルギーの必要性に対する認識を高めることに寄与しました。

この「電力の33%」はどのぐらい野心的なのでしょうか。

下記のグラフは、2004年~2008年までの電力供給源の表です。


※出所:U.S. Energy Information Administration “California Renewable Electricity Profile

2008年の時点で、再生可能エネルギーは、全体の23.5%を占めているのがわかります。
しかし、カリフォルニア州の33%目標は、「再生可能エネルギー」の全体ではなく、
「再生可能エネルギー(水力除く)」の数値についてなのです。
つまり、2008年時点での11.9%を、2020年までに33%にすると言っているのです。
これはすごい躍進です。

このような大胆な目標設定ができるのは、カリフォルニア州ならではの事情もあります。
州内に世界有数のハイテク産業団地、シリコンバレーを抱えているからです。
シリコンバレーには、最先端のグリーンテクノロジーと、
それを支える膨大なマネーが集まっています。
州政府が掲げる目標により、投資家はグリーンテクノロジー開発に対する長期投資を
さらに加速することができるようになります。
そしてそれが、技術開発を促進し、さらに投資を呼び込むという好循環を生むのです。

また、カリフォルニア州は自然条件にも恵まれています。
州の西部には太平洋からの風が吹き、南東部は砂漠地帯で太陽が降り注ぐため、
風力発電や太陽光発電に適した広大な土地を有しているのです。

33%の目標達成のためのシナリオも作成されています。


※出所:カリフォルニア州のサイトコチラの資料

このように複数のシナリオを作成する手法は、「シナリオプランニング」と呼ばれ、
不確実な将来見通しの中で、柔軟に目標を達成する経営手法のひとつです。
 

しかし、この法案には批判も多く集まっているようです。
Financial Times紙の4/19WEB版では、様々な批判が紹介されています。

まず激しく抵抗しているのが、製造業です。
再生可能エネルギーに力を入れてきたカリフォルニア州では、
現在でも他の州に比べて電力価格が50%ほど高い水準なのですが、
カリフォルニア州共和党が、
今回の法律で電力価格がさらに19%上昇すると語っているためです。
※Huffpost Los Angeles, “California Renewable Energy: Brown
To Sign ‘Most Aggressive’ Mandate In The U.S.

国際競争が激化している中でのさらなる電力価格の高騰は、
人員削減や工場閉鎖につながる。
電力消費の大きい鉄鋼業、セメント業、鉱業は警鐘を鳴らしています。

次に反発しているのが、環境保護活動団体です。
今回の法律で拡大が見込まれる太陽光発電に対し、
「砂漠に建設される大規模太陽光発電プラントは動植物固有種に害を与えるため、
太陽光発電は屋根の屋上のみに限定すべき」
と反対しています。

僕はこの法律の野心的な目標設定を応援したいと思っています。
高い目標設定はイノベーションを加速します。
確かに反対派が唱えているように、課題もたくさん存在します。
しかし、いずれにしても電力供給を支えるためには、それらの課題も含めて、
問題をひとつひとつ解決し、前進していかなくてはなりません。

「問題があるから計画中止」というスタンスではなく、
「目標に向けて問題をどう一緒に解決していくか」という協働姿勢が
必要なのではないでしょうか。