ここ数年、中央政府も地方政府も大きく税収が落ち込んでいます。
これは日本だけでなく、アメリカでも同様です。

昨日、Alliance of Arizona Non-Profitというアリゾナ州のNPO連合会から
届いたメールニュースに、アリゾナ州の苦境が報じられていました。

アリゾナ州では、全米の中でも大きく税収が落ち込み、
来年に、今年度と同様の行政サービスを提供しようとすると、
約14億ドル(約1200億円)不足してしまうということです。

アリゾナ州知事は不足分を支出の削減で乗り切る案を示し、
特に、NPOなどへの支援を削減する姿勢を示しました。

さらに、今後の税収不足を補うため、
これまで税優遇されていたNPOなどに対し、
課税を検討していることも報じられていました。

政府がNPOへの支援を削減することは、社会保障の観点からみて、
喜ばしくない方針のようにも見えますが、そうともいえません。
NPOへの支援を削減しなければ、
政府は他の行政サービスを削減せざるをえず、
結果的に社会的なサービスが削られることになるからです。

この状況に対してアリゾナNPO連合会が示した姿勢は、素晴らしいものでした。
政府からの支援削減に対して抗議をしてもよさそうなものですが、
そうではなく、加盟NPOに対して冷静に、
財政とNPOの持続可能性が密接に結びついていること、
自分たちの活動を継続していくためには、
自分たちが変わらなくてはいけないこと、を呼び掛け、
来る集会では活動の持続可能性を高めていく道を模索していくことを
議題にすることを発表していました。

NPOなど社会的セクターの多くは、現在政府からの財源に頼っています。
しかし、政府自体が資金難に陥っていく中で、
政府とともにNPOの経営自体も変わっていかなくてはいけません。

このような状況に迫られているのは、アリゾナ州以外にも世界にたくさんあります。
自立した社会的セクターの構築を一緒に目指していきたいと思います。