火力、水力、原子力。日本でおなじみのフレーズです。
世界では今、再生可能エネルギーの生産量を増やす動きが急ピッチで進んでいます。

世界でのエネルギー消費量を見てみると、
依然として化石燃料に頼っていることがわかります。

Renewables 2010 Global Status Report

円グラフ上では、再生可能エネルギーは19%を占めているように見えますが、
この中には、伝統的バイオマスと呼ばれる焚き木や薪、糞尿による発電や
水力発電なども含まれています。

風力や太陽光発電など狭義の再生可能エネルギーが占める割合は、
棒グラフの上から3つ目での合計たったの3%。

今後、インドや中国でのエネルギー需要が爆発的に高まっていく中、
再生可能エネルギーや原子力発電の需要は急速に高まっています。
実際、化石燃料の価格は昨今の経済不況にかかわらず、
1バレル$80という高水準を記録しています。

そこで昨今相次いでいるのが、太陽光や風力発電の大プラント建設です。
日本の感覚だと、風力発電や太陽光発電というと、
ときどき見かける数台の風車や、屋根の上のソーラーパネルを想像しがちですが、
世界で今推進されているものは、規模が全く異なります。

例えば、太陽光発電は、こんな規模です。

Largest Solar Plant in Europe Set to Open in Italy

これはヨーロッパ最大の太陽光発電プラントでイタリアに2010年に建設されました。

アメリカのファースト・ソーラー社は、今年に入った1/5に、
中国の原子力発電事業大手の中国広東核電集団(China Guangdong Nuclear
Power Corp、CGNPC)と共同で、モンゴルの砂漠に30メガワットの大型太陽光
発電プラントを建設する計画を発表しています。

2010年に入って太陽光発電事業が相次ぐ理由は大きく2つあります。
 1.莫大な政府補助金
 2.ソーラーパネルの価格の下落

まず、莫大な政府補助金については、
アメリカのオバマ政権のグリーン・ニューディール政策が有名です。
現在、アメリカでは太陽光発電を建設した事業者に、
連邦政府や州などから補助金が得られ、
その額はなんと初期投資の半分以上にも達することがあります。

中国などエネルギー需要が増加する新興国でも、資源高の高騰に備え、
積極的に再生可能エネルギーへの投資に力を入れています。
太陽光発電は、従来「不毛地帯」とし厄介者であった砂漠地帯が、
エネルギーを生む土地に変えることができ、
21世紀の新たな錬金術として注目が集まっています。

ソーラーパネルの価格下落は、アメリカのアリゾナ州テンピ市に本社を置く、
ファースト・ソーラー社の貢献が大きいです。

ファースト・ソーラー社は、従来のシリコン結晶を素材としたソーラーパネル
ではなく、薄型フィルムを用いる新しい技術開発に成功しました。
この薄型フィルム(Thin Flim)タイプのものは、発電効率は以前より低いの
ですが、製造コストが格段に安く、原子力や火力にも対抗できる安さで、
世界の注目を集めました。

2010年10月にアメリカとベトナムに合計500万メガワット分の需要に対応できる
ソーラーパネルの大型生産工場の建設を発表しています。
こうして、ソーラーパネルの需要が高まる中、規模の経済も働き、
さらにソーラーパネルの価格は下がり続けているのです。

風力発電のプラントも大規模です。

これは、アメリカのカリフォルニア州にある風力発電プラントです。
このような大規模なプラントがアメリカにはいくつもあります。
広大な土地が資源となり、新たなエネルギー工場となっています。

世界のエネルギー需要が伸びていく中、
新たなエネルギー生産の動きは加速しつつあります。

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