面白い動画をYou Tubeで見つけました。

トヨタ自動車がアメリカでの災害支援での活動内容の動画です。

舞台は、昨年10月にアメリカを襲った巨大台風Sandy。
被害状況は世界中で大きく報道されましたので、
ニューヨークの悲惨な情景を記憶している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

みなさんは、「トヨタがニューヨークで災害支援」と聞くと、
どのような活動が実施されたと想像されるでしょうか。

・支援活動団体への自動車の寄付
・ディーラー施設を活用した避難所の運営
・トヨタ車を活用したデリバリーサービス

このようなものが頭に浮かんだかもしれません。

しかし、ながら、今回ご紹介するのは、上記のいずれでもありません。
トヨタが提供したモノ、それは物ではなく、「トヨタ生産方式」という
オペレーション手法でした。

当時ニューヨークでは、街が破壊されてしまったため、
ニューヨークでは、市当局やNPOが中心となった援助活動が実施されました。
中でも重要だったのは、東日本大震災のときと同様、食糧の配給です。

援助を必要としている人に対して、いかに迅速に食糧を届けられる体制をつくるか。
ここにトヨタ自動車が社会に対して貢献できるポイントがあったのです。

この取組は、”Meals per hour” という名前がつけられています。
では、動画を御覧ください。

企業がCSR活動を実施しようとするとき、
自社の製品やサービスの提供ということ以外に、
企業持つあらゆるリソースの中から役立つ要素を発見することができます。

今回の米国トヨタの事例は、CSRの分野にも、
クリエイティビティやイノベーションがあるということを示してくれています。

前回、地熱発電の仕組みを紹介しました。
地熱発電所とは何か?~仕組みと可能性~

地熱発電は、地球が発する熱を利用した環境に優しい発電方法です。

しかしながら、太陽光や風力発電が昨今注目される中、
地熱発電は、ここ近年日本で進展はしていません。

日本の地熱発電の推移
※出所:資源エネルギー庁

日本で初めて地熱発電所が実用化されたのは1966年。
岩手県八幡平市の松川地熱発電所が日本第1号です。
最大出力量は23,500kw。
現在も稼働している現役の発電所です。

もともとは、日本重化学工業社が建設・所有していましたが、
現在は、東北電力のグループ会社、東北水力地熱が所有しています。

その後、東北地方と九州地方を中心に、合計18か所に地熱発電所が建設されます。


※図:国立環境研究所

そして、最後に建設された地熱発電所は1999年に運転を開始した八丈島地熱発電所。
現在まで、東京電力が保有する最初にして唯一の地熱発電所です。
最大出力は3,300kwと小規模ですが、八丈島で消費される電力の1/3を賄っています。

この八丈島での運転開始から今日まで12年間、日本で地熱発電所は建設されていません。
その背景については、後日、解説していきたいと思います。

さて、現在、全国18の地熱発電所で生産されている電力量は、年間2,750GWh。
数が大きいように言えますが、日本の総電力消費量1,083,142GWh(2008年)の、
わずか0.025%を占めているにすぎません。

この日本の状況を他の国と比較してみましょう。

〇 日本と世界各国の地熱発電量

世界の地熱発電量推移

世界の地熱発電量推移


※出所:EIA

〇 地熱発電各国における地熱発電の割合

地熱発電は世界全体の発電量の0.3%(2008年)。
ちなみに、再生可能エネルギーの分野では、
水力16.2%、風力1.1%、バイオマス1.0%、太陽光0.06%、
バイオマス0.04%という状況です。


※出所:IEA

世界の地熱発電量が限られている理由のひとつに、
地熱を活用できるエリアが世界で限られているという点が挙げられます。

今日、上記の図で赤くなっているところを中心に、地熱発電が推進されています。

地熱発電の設備容量(2008年)をみても、発電量とほぼ同様の順位が得られます。


※出所:EIA

■ 世界の地熱発電大国アメリカ

世界のトップは30年前からアメリカです。
西部の火山地帯にある広大な土地を中心に、77の地熱発電所が現在稼働しています。

アメリカの地熱発電所での発電量(赤)と熱源利用量(緑)

アメリカの潜在的な地熱資源量

1970年代の石油危機を機にアメリカでは、エネルギー源の分散が図られ、
その中で注目されたもののひとつが地熱発電です。
アメリカ政府は、地熱発電の研究開発に資金を投じると同時に、
Geothermal Energy Research, Development and Demonstration (RD&D) Act
(地熱エネルギー研究開発実証法)を1974年に施行し、
巨額の資金が必要な地熱発電所建設に対する政府のローン保証プログラムを開始。
低リスクとなった地熱発電に対する電力会社等の投資が促進されていきます。

さらに、地熱発電の加速要因となったのが、バイナリーサイクル技術の誕生です。
※バイナリーサイクル技術については前回ブログを参照ください。
従来では発電に必要な熱エネルギーを持たなかったエリアでも、
地熱発電が可能となり、さらに投資が進みました。

その流れで1980年に相次いで地熱発電所が稼働を開始、一気に世界をリードしました。
しかし、1990年以降、地熱発電量は横ばいです。
原因としては、ローンプログラムの欠乏、連邦政府管理地の使用許可規制などが、
挙げられており、現在、地熱発電促進の阻害要因を取り除く検討が、
連邦政府及び州政府にて進められています。

そして、2005年に制定されたエネルギー政策法により、
地熱発電が米国政府の再生可能エネルギー生産税控除を受けられるようになったため、
米国西部の多くの市場で は現在、
地熱資源で発電される電力のコストが化石燃料による電力コストと等しくなり、。
経済情勢が追い風となり、地熱産業は急速に活性化しています。(コチラを参照)

■ 原子力発電を中止し、地熱発電に注力したフィリピン

世界の第2位の地熱発電量を誇るのがフィリピンです。
1972年に制定された地熱発電開発に関する大統領令(PD1442)で、
地熱発電事業者に対する大幅減税や減価償却期間引き伸ばし、専門家招致など、
インセンティブ施策が整備されました。

さらに、1976年に原子力発電所が着工し、1985年工事がほぼ終了したものの、
1986年に発足したアキノ政権は、同発電所の安全性および経済性を疑問視し、
運転認可が見送った結果、さらに地熱発電の重要性が増していきました。
結果、1990年代にフィリピンの地熱発電量は大きく増加しました。

フィリピンでは発電量の17.6%が地熱発電で賄われています。

現在でも政府は地熱発電をさらに推進していく姿勢を示しており、
現在の地熱発電設備容量195.8万kWhを、2013年までに313.0万kWhにまで
高める計画を掲げています。

■ 地熱発電の新たなリーダーになるインドネシア

インドネシアは、2000年代に入ってから急速に地熱発電量を増加させてきています。

インドネシアにおける地熱発電の魅力は、その資源量の豊富さです。


※出所:NEDO

インドネシアは地熱資源量において世界でダントツのトップです。
地熱発電量2位のフィリピンを大きく上回る地熱資源量を有しています。

2005年に当時のユドヨノ政権は、2025年までの地熱発電量目標を設定。
2008年時点で93.3万kWhの地熱発電設備容量を、
2025年に950.0万kWhにまで増加させるとしています。
ちなみに、福島第一原子力発電所の発電容量は約500.0万kWh。
その約2倍もの地熱発電を行うという計画です。(コチラを参照)

しかしながら、現在、この計画はスケジュールが大幅に遅れている状況です。
原因は、地熱発電への設備投資を民間設備投資に大きく依存している状況です。
政府政策の不安定性、政府からの財政支援の欠如、発電建設所投資の不確実性リスクなど
から民間企業の設備投資が思うように進んでいないことが、
インドネシアの現在の大きな課題です。

■ 急速に地熱発電の開発が進むアイスランド

アイスランドはほぼすべての全力を、再生可能エネルギーで賄っている国です。
そのうち75.5%を水力、残りの24.5%を地熱発電で調達している、地熱先進国です。

アイスランドの特異な点は、その立地にあります。
その他の地熱発電がマグマ溜りを熱エネルギーの供給源にしているのに対し、
アイスランドだけは、ホットプルームを熱供給源としています。
アイスランドは、ホットプルームの上に位置している特異な島なのです。
※マグマ溜りとホットプルームについては前回ブログをご覧ください。

そのため、アイスランドでは他のエリアより高温の熱エネルギーが得られ、
効率的な地熱発電が可能となっています。
2000年入ってから、大型の地熱発電所が次々と操業を開始し、
地熱発電の電力が急速に伸びています。

さらに、アイスランドでは地熱を発電目的だけでなく、
熱エネルギー目的でも使用しています。
具体的には、冬期の路上凍結を防ぐための路面温度上昇のための熱、
商業用・家庭用の温水生成のための熱などが挙げられます。

■ 新たな発電所建設が進まず年々発電量が衰える日本

一方、日本は1997年をピークに、年々地熱発電量が減少しています。
理由は、新たな発電所の建設が1999年以降進んでいないことと、
既存の発電所の発電量が、地下熱の低下により、落ちてきていることです。
そこで、2006年に地下熱の低下でも発電を可能にするためのバイナリーサイクル方式が、
八丁原発電所に導入されました。

それでも、日本は世界第3位の地熱資源量を誇る国です。
他の地熱資源保有国が地熱発電への投資を加速させる中、日本は出遅れています。

この日本における地熱発電はなぜ停滞しているのか。
その原因については、あらためてこのブログでお伝えしていきたいます。

sustainable japan

電力・エネルギー等サステナビリティに関する最新トピックスは、Sustainable Japanに掲載しています。御覧ください!

ここ数年、企業に対して、ESG(環境・社会・ガバナンス)分野に関する法規制が、
欧米諸国を中心に強化しつつあります。

今回は、その中でも特に重要だとされているものをご紹介します。
BSRのレポートを参考にしました。

〇 U.K. Bribery Act 2010(2010年イギリス贈収賄防止法)

イギリスで2010年4月に制定された贈収賄防止法が、2011年4月に施行されます。
この法律は、過去になく適用範囲が大幅に拡大されているのが特徴です。
通常の贈収賄防止法は、国内に上場または登記している企業が対象なのですが、
この法律は、適用範囲が国境を超える、域外適用を認めています。

例えば、登記していなくても、イギリス国内の企業や個人と販売・調達の取引がある、
イギリス国内を通過する物流を行っているなど、なんらかの事業活動のつながりが、
イギリス国内にあれば、その企業は適用範囲となります。

また、イギリス国民に対しては、国外にいても適用されます。

そのため、日本に登記をしている企業が、インドで贈収賄行為を行ったとしても、
その企業がイギリス国内でも事業をすれば、その贈収賄行為にもこのイギリス法が
適用され裁かれます。

また、「贈収賄行為」の範囲も例のないほど拡大され、
いかなる「便宜行為」も例外として認められません。
企業や個人が、自分の利益のために、他者・他社に対して金品を渡す行為は、
すべて「贈収賄行為」として認識されます。
間に代理人等を介して行う場合でも、訴追されます。

この法を犯した場合は、個人に対し10年以下の懲役または禁錮が課せられます。
刑期の長さでも他に例を見ません。
例えこの法律に対する認識がなかったとしても、同法律は適用されます。
 

〇 U.S. Dodd-Frank Act(ドッド・フランク法)

この法律そのものは、リーマンショック後の金融規制強化のために制定されましたが、
同法1502条に、コンゴ民主共和国の紛争資源に関わる条文が盛り込まれています。

同法自体は2010年夏に制定されていますが、紛争資源に関わる詳細は、
SEC(アメリカ証券取引委員会)に審議に委ねられており、
SECは2011年4月に最終ルールを施行する予定としています。

紛争資源として定められているのは、錫、タンタル、タングステン、金の4種類。
そのほか、SECが必要と定めた場合には、他の鉱物も追加されます。

この法律の適用対象者は、アメリカで株式上場をし、さらに、上記の4種類の鉱物を
原料として必要とするすべての製造業者。
これらの企業は、この4種類の鉱物の原産国が、
コンゴ民主共和国および周辺諸国(スーダン、中央アフリカ、コンゴ共和国、アンゴラ、
ザンビア、マラウィ、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア)であるかどうかを
開示しなければなりません。
原料の直接の購入者でなくとも、調達先をたどり原産国を特定する必要があるため、
サプライチェーンの途中にいる企業に対しても事実上同様の努力が課せられることとなります。

ルールとして定められている要求事項は、
・原産国がコンゴ民主共和国および周辺諸国であるかどうかを開示しなければならない。
・原産国が当該諸国でない場合は、それを第三者機関などが認証しなければならない。
・原産国が当該諸国である場合や判断できない場合は、「紛争鉱物報告書」を作成しなければならない。

罰則については現在、SECにて検討されています。
 

〇 California Transparency in Supply Chains Act(カリフォルニア州サプライチェーン透明法)

カリフォルニア州で2010年9月に制定された州法です。
米国で社会問題となっている人身売買の防止を強化するために定められました。

カリフォルニア州内のすべての企業は、人身売買を防止するための取組につして、
ホームページ上などで公開することが義務付けられています。
また、国際人権規約を順守することも、同様に義務付けられています。
 

〇 EU Flegt Law(EU木材規制)

2010年にEU域内27か国に適用される木材規制が制定されました。

これは、違法な方法で伐採・生産された木材製品の取引を禁じるものです。

同法は2013年3月3日に施行され、以後、EU域内の木材取引企業には以下の義務が課されます。
・違法な方法で伐採・生産された木材製品の取引の禁止
・全ての木材製品がEU域内に持ち込まれた時点で、違法性有無のデューデリジェンスを実施。
・トレーサビリティ確立のため、全ての木材製品取引において買い手と売り手の記録。
 

〇 OECD Guidelines on multinational enterprises(OECD多国籍企業ガイドライン)

2011年5月に制定されたガイドラインで、環境、労働環境、人権、賄賂などについて、
多国籍企業が守るべき事項が書かれています。

こちらは法律ではありませんが、42か国が同ガイドラインに採択しており、
企業が自主的に守るべき規制として、今後認識されていく可能性が非常に高いです。

〇 UN Guiding Principles on Business and Human Rights(国連ビジネスおよび人権原則)

こちらも人権について書かれた国連のガイドラインで、2011年6月に制定されました。

企業経営において守るべき人権項目が説明されています。

OECDガイドラインと同様、法律ではありませんが、国連の人権委員会で採択されたものであり、
国内法の規制強化へと方向づけるものになる可能性があります。

 

企業のグローバル化とは、海外の法規制に対してもアンテナを張り、
順守していく努力を必然的に伴います。
今回紹介したものは、ぜひ日本のグローバル企業の皆さんにも知っておいて頂きたいと思う
ものたちばかりです。

先日、世界のメガソーラー(大規模太陽光発電)の世界の状況についてレポートしたのに続き、
今回は、世界の風力発電の状況をご紹介したいと思います。

世界の風力発電の大規模化は、太陽光発電を大きく凌駕する勢いで進んでいます。
例えば、現在の世界最大規模の太陽光発電所は、カナダのSarnia で92MW。
一方、現在の世界で最大規模の風力発電所は、アメリカのRoscoe で781.5MW。
8倍以上の開きがあります。
さらに、風力発電所の大規模化は今後も大きく進むと予想され、
中国は5000MWを超える超巨大風力発電所を2020年に甘肃省にオープンする
ことを発表しています。
※世界の風力発電所ランキングについては後述します。

世界の風力発電は、2006年あたりから、急速に造塊しています。
世界風力エネルギー協議会(Global Wind Energy Council: 通称GWEC)が
発表している、世界の風力発電トップ12か国を見てみましょう。


※出所:GWECレポート Global Wind Report 2010, 2009, 2008

ご覧いただくと、中国、アメリカ、ドイツ、スペイン、インドが
世界の風力発電を大きくリードしていることがわかります。

ドイツ、スペインは太陽光発電の分野でも世界をリードしており、
再生可能エネルギー全般にを政府が全面的に後押ししていますが、
その両国を超えるスピードで、中国、アメリカ、インドでは、
風力発電の建設が進んでいます。
中国は2010年ついに累積風力発電量で世界トップとなりました。

続いて、大規模風力発電所の状況を紹介します。
風力発電所はその立地により、オンショア風力発電(陸上風力発電)と
オンショア風力発電(洋上風力発電)に大きく分けられます。

大規模化が著しく進んでいるのは、建設コストが少ないオンショア風力発電です。

オンショア風力発電出力量の世界ランキングトップ35>

オフショア風力発電出力量の世界ランキングトップ35>

オンショア風力発電の分野では、アメリカ、特にテキサス州での建設が目立ちます。
理由としては、テキサス州政府が発令している送電網の電力会社(風力発電電気の買い手)
負担政策が挙げられます。
この政策により、
風力の強いテキサス州の荒地から都市部などの電力消費エリアに送電するコストが軽減され、
風力発電の発電事業者が積極的に大規模風力発電所を建設できるようになりました。

オフショア風力発電の分野では、イギリスとデンマークの存在が目立ちます。
両国ともに、風力発電量全体としては、それぞれランキング8位、11位ですが、
オフショア風力発電の分野では、世界を牽引しています。
特にデンマークは、国営企業Vattenfallと、国営色の濃いエネルギー企業DONG Energyが、
自国内だけの発電量増加だけでなく、積極的に近隣諸国に展開し、
発電プラントを積極的に建設しています。

一方、イギリスは、オフショア風力発電の一層の促進を計画しています。
2010年1月イギリス政府は、オフショア風力発電のライセンスを大規模に発行。
世界最大となる9,000MW規模の発電所をはじめ、
超巨大風力発電所が複数誕生する予定となっています。


※出所:BBC News

今回はデータを中心に紹介しましたが、各国の事情については、
今後紹介していきたいと思います。

sustainable japan

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The Princeton Reviewが、

北米の大学の「環境配慮度」(The Green Rating)を毎年発表しています。

ちなみに、この「環境配慮度」とは以下の項目で測定されています。

・地域産品、オーガニック食材、エコ食品への支出が食品支出全体に占める割合。
・大学が、バスのフリーパス、他の交通機関のフリーパス、自転車シェアリングや
 自転車レンタル、カーシェアリング、乗り合いバスサービスなど、車の一人乗り
 を避けるための取組をしているかどうか。
・キャンパスの持続可能性を改善するために、学生も委員として参加した公式な
 委員会を開催しているかどうか。
・新校舎建設時に、LEED Silver規格や同等規格に則っているかどうか。
・廃棄物再利用の割合。
・大学が、環境学の主専攻、副専攻、認証プログラムを設けているか。
・大学が、入学選考時に「環境リテラシー」を審査しているか。
・大学が、温室効果ガス排出の目録を作成して公開し、さらに2050年までに
 温室効果ガス排出量を80%削減する気候行動計画を採択しているか。
・大学エネルギー消費量(冷暖房含む)のうち、再生可能エネルギー(原子力、
 大規模水力発電除く)が占める割合。
・大学が、フルタイムのサステイナビリティ担当理事を置いているかどうか。

2011年のこの審査において、満点の「99点」を取得した大学は次の15校です。
※審査全体は311校。

American University (Washington DC)
Arizona State University (Tempe)
College of the Atlantic (Bar Harbor ME) Dickinson College (Carlisle PA)
Georgia Institute of Technology (Atlanta)
Harvard College (Cambridge MA)
Northeastern University (Boston MA)
Oregon State University (Corvallis)
San Francisco State University (San Francisco CA)
State University of New York – Binghamton University
University of California – Santa Cruz
University of Maine (Orono)
University of Washington (Seattle)
University of Wisconsin – Stevens Point
Virginia Tech (Blacksburg VA)
Warren Wilson College (Asheville NC)
※アルファベット順

大学の顔ぶれがどうなのかはさておき、
「環境配慮度」を上記と定義した発想は、参考になります。

昨今では、環境やサステイナビリティについての専攻を設置する
欧米の大学や大学院が増えてきていますが、
まだまだ、その質の評価については明らかになっていませんし、
その「教育の質」についての評価は未知です。

この分野を志す方々のためにも、その質の評価が待たれます。

日本で最近話題になり始めた、
「メガソーラー」と呼ばれるような大規模太陽光発電プラント。

日本の電力企業10社が加盟する電気事業連合会は、
2020年度までに全国約30地点(電力会社10社合計)で、
約140MWの太陽光発電設備を設置する「メガソーラー発電」計画を公表しています。

その中でも、最大の規模を計画しているのが東京電力。
東日本大震災より以前、2008年10月に、20MWのメガソーラーを川崎市と
協働で推進することに合意。
そして、2011年8月12日に、第1号となる「浮島太陽光発電所」(7MW)の運転開始
を開始しました。(ニュースはコチラ

また、ソフトバンク社は、2011年の5月に、
日本全国約10か所に2MW規模のメガソーラーを建設する構想を発表。
7月には全国の知事が参加する「自然エネルギー協議会」を発足。
今日現在で、北海道、岩手県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、
埼玉県、神奈川県、富山県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、徳島県、奈良県、
島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、佐賀県、
長崎県、熊本県、大分県、宮崎県の計34道府県が参加しています。

一方で、太陽光発電の高コスト体質を理由に、
メガソーラー計画に批判的な意見もあります。

そこで、今回、世界のメガソーラーの現状を見ていきたいと思います。

Solar Plazaという団体が、
世界の太陽光発電プラント(Solar Photovoltaic Plant)の
ランキングを発表してくれています。

太陽光発電所名 最大出力(MW) 発電所所有者 発電所所有者の業態 発電所建設企業 太陽光発電パネルメーカー パネルタイプ 完成年
1 カナダ Sarnia 92 Enbridge エネルギー企業 First Solar First Solar CdTe 2010
2 イタリア Montalto di Castro 84 Sunpower 太陽光発電パネルメーカー Sunpower, Sunray Sunpower c-Si 2011
3 ドイツ Finsterwalde I, II & III 83 Q-Cells 太陽光発電パネルメーカー Q-Cells Q-Cells c-Si 2010
4 イタリア Rovigo 70 First Reserve プライベート・エクイティ企業 SunEdison Canadian Solar a.o. c-Si 2010
5 スペイン Olmedilla de Alarcón 60 Nobesol Levante 太陽光発電プラント建設・売電企業 Nobesol Levante Siliken a.o. c-Si 2008
6 米国 Boulder City (Copper Mountain) 55 Sempra Generation エネルギー企業 First Solar First Solar CdTe 2010
7 ドイツ Strasskirchen 53 Q-Cells 太陽光発電パネルメーカー Q-Cells Q-Cells c-Si 2009
8 ドイツ Lieberose 53 Juwi Solar 太陽光発電プラント建設・売電企業 Juwi Solar First Solar CdTe 2009
9 スペイン Puertollano I 52 Renovalia Energy 太陽光・風力発電売電企業 Renovalia Energy Suntech, Solaria c-Si 2008
10 ポルトガル Moura (Amareleja) 46 Acciona Solar 持続可能(再生可能エネルギー、インフラ、水)施設デベロッパー Acciona Solar Yingli Solar c-Si 2008
11 ドイツ Köthen 45 Deutsche Eco 太陽光発電プラント建設・売電企業 Deutsche Eco BP Solar c-Si 2011
12 イタリア Cellino San Marco 43 AES Solar 太陽光発電プラント建設・売電企業 AES Solar First Solar CdTe 2010
13 ドイツ Waldpolenz 40 Juwi Solar 太陽光発電プラント建設・売電企業 Juwi Solar First Solar CdTe 2008
14 チェコ Ralsko 38 CEZ Group エネルギー企業 CEZ Group c-Si 2010
15 イタリア Alfonsine 36 Reno Solar, Tozzi Holding 太陽光発電プラント建設・売電企業 Reno Solar, Tozzi Holding
16 チェコ Vepřek Solar Park 35 Decci 不明 Decci PhonoSolar c-Si 2010
17 スペイン La Magascona & Magasquilla 35 Fotowatio Renewable Ventures 太陽光発電プラント建設・売電企業 Fotowatio Renewable Ventures Suntech c-Si 2008
18 スペイン Arnedo 34 T-Solar 太陽光発電プラント建設・売電企業 T-Solar 2008
19 ドイツ Reckahn 32 Belectric 太陽光発電プラント建設・売電企業 Belectric First Solar CdTe 2010
20 フランス Le Gabardan 26 EDF Energies Nouvelles 太陽光・風力発電プラント建設・売電企業 EDF Energies Nouvelles
21 ドイツ Ernsthof 34 Relatio 太陽光発電プラント建設・売電企業 Relatio LDK Solar c-Si 2010
22 スペイン Dulcinea 32 Avanzalia 太陽光・風力発電プラント建設・売電企業 Avanzalia Kyocera, Suntech c-Si 2010
23 イタリア Sant’ Alberto 35
24 スペイン Alamo (I, II, III, IV) 34 Gestamp 太陽光発電プラント建設・売電企業 Gestamp Trina Solar c-Si 2010
25 ドイツ Tutow I, II 31 Juwi Solar 太陽光発電プラント建設・売電企業 Juwi Solar, RIO Energie First Solar CdTe 2010
26 米国 Cimarron Solar Facility 30 Tri-State エネルギー企業 First Solar First Solar CdTe 2010
27 スペイン SPEX Merida/Don Alvaro 30 Deutsche Bank, ecoEnergías 銀行, 太陽光発電プラント建設・売電企業 Deutsche Bank, ecoEnergías Solarworld c-Si 2008
28 チェコ Ševětín 30 CEZ Group 太陽光発電プラント建設・売電企業 CEZ Group c-Si 2010
29 ドイツ Helmeringen 26 Gehrlicher Solar 太陽光発電プラント建設・売電企業 Gehrlicher Solar First Solar CdTe 2010
30 米国 DeSoto 25 Floride Power & Light エネルギー企業 Floride Power & Light Sunpower c-Si 2009

メガソーラー・トップ30の場所


より大きな地図で 世界の太陽光発電プラント最大出力ランキングトップ30 を表示

ここから、読み取れるものを、いくつかまとめていきたいと思います。

1. メガソーラーは、ヨーロッパ諸国に集中。

上記の30メガソーラーを国別にまとめてみると、

ドイツ  9
スペイン 7
イタリア 5
チェコ 3
米国 3
フランス 1
ポルトガル 1
カナダ 1

となり、ヨーロッパ諸国が86.7%を占めています。

実際に、ドイツ、イタリア、スペイン、チェコでは、
2007年前後から急速に太陽光発電での発電量が上昇しています。


※出所:”Photovoltaic Power Systems Programme”, IEA-PVPS, 2010
     and “Top 30 Solar PV Markets”, Solar Plaza, 2011

この背景には、
固定価格買取り制度」(Feed-in-Tariff)の存在が挙げられます。
ドイツでは2000年、チェコとイタリアでは2005年、スペインでは2007年から開始された、
固定価格買い取り制度により、太陽光発電所で発電された電力の販売価格が上昇し、
太陽光発電所運営の収益性が良くなりました。

その結果、メガソーラーの建設も進んできています。

日本でも、2011年8月26日に固定価格買い取り制度を定めた、
「再生可能エネルギー特別措置法」が成立しました。
この法律による影響については、あらためてブログでとりあげたいと思っています。
 

2. 専業者中心のヨーロッパとエネルギー会社主導の北米

ヨーロッパでは、「太陽光発電プラント建設・売電企業」が
メガソーラーの事業者となる傾向があるのに対し、
北米では、「エネルギー企業」がメガソーラー事業を牽引しています。

これは、大規模な固定価格買い取り制度や、再生可能エネルギー比率を高める
法律が整備されているヨーロッパでは、
太陽光や再生可能エネルギーを専業とした新興企業の設立を後押ししているのに対し、
まだ整備が進んでいない北米では、
資本力のある既存のエネルギー企業が、将来に向けての事業多角化や、
社会に対するブランド戦略の意味合いで、太陽光発電に取り組んでいるという違いが、
挙げられます。

また、ヨーロッパ、北米双方で、太陽光発電パネルメーカーによる、
メガソーラー運営も最近の大きな流れの一つです。
こちらについては、パネルメーカーが、製造、建設、運営までの、
一連のサプライチェーンを、垂直統合し、
利益率の上昇や、PDCAサイクルの高速回転を目指すという、
戦略上の要因が挙げられます。
 

3. 農地や荒れ地を中心とした立地

メガソーラーの立地については、
地方都市近郊の農地や荒れ地での建設が中心です。
洋上や山間部に設置されているケースは、
トップ30の中にはありません。

また、既存の地方空港の空き地を利用したメガソーラーの建設も、
ヨーロッパを中心に見られます。
 

4. 金融関係資本の投資が加速

ランキング18位のT-Solarに対し、
プライベートエクイティ世界大手のKKRがドイツの再保険会社Munich Reと共同で
49%の株式を買収したり、(ニュースはコチラ
ランキング30位のFPLが、2億5000万ドルの社債発行に成功したりと、
金融関連の資本が、メガソーラーにも集まってきています。(ニュースはコチラ
 

冒頭で紹介した、日本の電気事業連合会の14MWメガソーラー構想は、
これらの世界レベルのメガソーラーを見ると、規模が霞んで見えます。

また、ソフトバンクが打ち出している約200MW規模の構想については、
すでに、ヨーロッパ諸国では、専業メーカーにより実現されている規模であり、
規模の観点では、決して「絵空事」ではありません。

日本の太陽光発電については、
再生可能エネルギーを推進するという考えでは一致していても、
各論の推進の場面で、高コストを理由に反対する声があります。

であるならば、ポイントは、
「高コストだからダメ」で終わらせるのではなく、
いかに発電コストを削減していけるかにあるのではないでしょうか。

そのための、太陽光パネルのエネルギー変換効率の向上、
太陽光パネルおよびその部品の製造技術の向上、
低コストオペレーションのための取組の推進、
そして、その技術革新を支えるための官民資金の呼び込み。

こうした会話や取組こそが今、必要なんだと思います。

sustainable japan

電力・エネルギー等サステナビリティに関する最新トピックスは、Sustainable Japanに掲載しています。御覧ください!

※僕の別ブログである「アメリカ・サンダーバードMBA留学ブログ」から転載しました。

今回は、最近、日本でも注目が集まりつつある「社会起業家」と
MBAの関係について、トレンドをお伝えしていきたいと思います。

以前は、「資本主義社会の士官学校」と呼ばれたビジネススクールも
最近はプログラムの種類を増やす動きをとりつつあります。

そして、その中でも一番力を入れているといっても過言ではないのが、
「社会起業家(Social Entrepreneurship)」プログラムの拡充です。

主要な欧米のビジネススクールでは、
プログラムの中に、社会起業家関連の授業を開講したり、
実際に社会起業家のもとでの実務を行う特別プラグラムを開設したり、
社会起業家に関連するカリキュラムを次々と用意をしていっています。

この動きの背景には、学生側と企業側のそれぞれのニーズの変化が、
影響していると考えられます。

まず、学生側のニーズについて考えていきましょう。

以前は、「ビジネススクールを出たら、コンサルティング企業が投資銀行へ」
と言われた時代も大きく変化をしつつあります。

最近では欧米の主要なビジネススクールの卒業生の中には、
NPOや社会的企業と言われる「社会的役割に重視をおいた企業」へ就職したり、
このような企業や組織を卒業後起業する学生が増えてきました。

また、こちらのUS Newsの記事でも紹介さているように、
卒業後の就職先を選ぶ際の軸として、
「社会的貢献性の強い」という要素を挙げる学生も増えてきています。

さらに、多くの学生は、
「環境や社会を意識している企業は高収益である」と考えるように、
なってきているということも併せて報じられています。

このような学生の関心の変化に対応するため、
各ビジネススクールは、
環境や社会などサステイナビリティに関連する履修科目や
開発支援、社会変革などに関するプログラムを拡充しているようです。

さらに、企業側のニーズも変化してきました。

以前、ビジネススクールに期待を寄せてきたのはいわゆる「大手企業」
だったのですが、
最近では、NPOや社会的セクターからの期待もたくさん集まるように
なってきました。

それは、従来は政府やコミュニティーからの財政的支援によって
支えられていたNPOや社会的セクターが、
昨今の政府の財政難を前に、財政的な自立を迫られ、
これまでMBAが提供してきた、マネジメントスキル、財務分析スキル、
組織運営スキル、ITスキルなどを必要とするようになってきたためです。

このような社会起業家教育を求める方々に向けて、
US Newsが全米のビジネススクールの社会起業家教育ランキングと
そのプログラムの内容を発表しています。

1. Yale University (School of Management)

2. University of California-Berkeley (Haas School)

3. Stanford University (Graduate School of Business)

4. Northwestern University (Kellogg School of Management)

5. Harvard Business School

6. University of Michigan (Ross School of Business)

7. Duke University (Fuqua School of Business)

8. University of Pennsylvania (Wharton School)

9. Columbia University (School of Business)

10. New York University (Stern School of Business)

11. Case Western Reserve University (Weatherhead School of Business)

また、アメリカ以外のビジネススクールでは、
University of Oxford (Saïd Business School)の
Skoll Centre for Social Entrepreneurship
が有名です。

このように大きなトレンドになりつつある「社会起業家プログラム」ですが、
個人的には、まだまだ2つの大きな課題があると感じています。

(1) 理論な確立が未整備

多くの日本人の多くは、大学に「理論教育」を求めているように感じています。
しかしながら、社会起業家(Social Entrepreneurship)の分野は、
まだ理論的な裏付けがほとんどなされておらず、
ソーシャルビジネスのマネジメントは、
通常の企業マネジメントとほぼ同様に扱われています。
※同様に扱われていることそのものに大きな問題はないと思います。

ビジネススクールが新たに開設したプログラムの多くは、
「ケーススタディのケースとして、社会的企業を扱う」
「オフキャンパスプログラムとして、社会的企業への訪問を行う」
「社会的企業へのインターンシップ斡旋を行う」
というもので、理論教育ではなく、「自分で体験して学ぶ」ものとなっています。

そのため、何か「理論的に特殊なことを学びたい」と考えている方にとっては、
これらのプログラムは多少物足りないかもしれません。
しかしながら、「そもそも実務家スキルは体験して学ぶものだ」という側面から
考えると、上記のプログラムは実践を体験する良い機会になると思います。

(2) コストパフォーマンス

もう一つの課題は、MBAの高い学費と将来の報酬をいかにペイさせるかという点です。
従来は、MBA取得に多額の資金を投資したとしても、
コンサルティング企業や投資銀行、大手メーカー等への就職から得られる報酬増を
考えると、MBA投資は十分にペイすると言われてきました。

ですが、今回紹介したNPOやソーシャルビジネスの分野は、
一般的にはさほど給与水準の高い「業界」ではありません。

誤解を恐れずに言うと、
資金的にゆとりのある家庭で生まれ育ったり、
なんらか組織的な財政援助を受けられる人でない限り、
社会起業家教育のためにMBAを取得することには大きな覚悟がいります。

ビジネススクール側には、
「顧客(学生)への付加価値をいくらと見積もるのか?」
「教育機会提供のための収益源は授業料だけでよいのか?」
という新たな課題がつきつけられているように感じます。

「資本主義の士官学校」の姿は、徐々に変わりつつあります。

David Vogel. “The Market for Virtue: The Potential And Limits of Corporate Social Responsibility.” Brookings Institution Press (August 1, 2006)

日本語訳はコチラ↓

2006年とやや古い本ですが、
Amazon.comで”Corporate Social Responsibility”で検索すると、
今でも上位に登場する、CSR業界(?)で話題を呼んだ本です。

著者は、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkley)のDavid Vogel教授。
Vogel教授は、この大学の政治学部とビジネススクールの双方で教鞭に立ち、
ビジネス倫理を専門としています。

CSRやSustainabilityに関する本が最近は数多く出版される中、
この本の特異な点は、「冷静にCSRの限界を指摘する」という点です。
彼は、CSRそのものに批判的なわけではありません。もちろん高く評価しています。
その上で、緻密なデータやリサーチをもとに、なぜCSRは社会を変えられないのか?
という点を、丁寧に説明されています。

この本で紹介されているテーマは、俗にESG+HRと呼ばれる、
環境、社会、ガバナンス、人権の全域に及びます。
原油、木材、児童労働、フェアトレード、コーヒー、カカオなどなど、
CSRやサステイナビリティで分野で登場するものはほぼ網羅。
それらについての法制度やNGO協定、そしてそれがもたらした効果などを
まさに「研究者」らしく緻密に検証していきます。

そして、CSR活動が、現状の課題を大きな効果を持つことはできておらず、
あくまでも「ないよりはまし」というレベルにとどまっているという結論を導き出します。

大手企業の努力にかかわらず、森林伐採は全体としては悪化しているし、
児童労働問題も頻繁に発生し続けているし、
フェアトレードで取引されている割合は全体の取引額のわずか数%。

大手企業では、特に熱狂的なCEOに導かれ、CSR活動が進んできたが、
他の大多数の企業では、コスト高になるCSR活動に真剣に取り組むことは「許されず」、
企業の自律的な規制では限界があるという主張です。

そして、最後の章で紹介されているVogel教授の提案は、「法規制による強制」です。
企業のCSR活動は、インパクトの面で限界がある。
それを大きなうねりにするためには、自律的な規制だけでなく、法規制すべきである。
そのために、企業は自らの活動を規制するだけでなく、
政府と協働して法整備に力をいれるべきだ、としています。

Vogel教授の膨大なリサーチには、感服させられます。
この本を読むだけで、ESG+HRの大まかな制度や状況を効率的に知ることができます。
そして、感情的ではない冷静な分析を前に、
CSR活動には大きな限界があるということを納得させられます。

一方で、若干の論理の飛躍を感じるのは、
なぜ「法整備」をすれば、ものごとがきれいに解決するのか、という最後の提案については、
丁寧に説明されていないことです。
そして、Vogel教授自身も自ら説明しているように、
「CSRはコストを上昇させるため、顧客・従業員・株主の誰もがその推進を望んでいない」
とするのであれば、誰がこの法整備を推進しようとするのかについても、
説明されていません。

このような論理の飛躍があったとしても、
この著書からは、既存のCSRのアプローチの限界を感じさせられます。
それは、大手企業の「良さげな」活動のみに焦点を当てて、もてはやしたとしても、
真のサステイナブルな社会は実現できないということです。

環境NGOや社会NGOは、大手企業の事業運営方針を転換させることに
力を注いでいますが、個別企業ではなくマクロ的な視点には目を瞑らせがちです。

「全体として何を実現したいのか?」
「そのためには、大手企業の努力でどこまで実現できるのか?」
「大手企業の努力以外に、何を同時に実現していく必要があるのか?」

これらが明確でないことには、広く人々の支持を得ることはできません。
例えるならばそれは、マニフェストのない選挙のようなもので、
個別の候補者の抽象的な訴えを聞いていても、
人々の心が動かされないのと同じことです。

結局は、法整備にしろ、企業の自助的努力にしろ、
社会の構成員(=従業員や顧客や株主)の支持を得ないことには、
社会に対して大きなインパクトをもたらすことはできません。

すなわち、僕の結論としては、Vogel教授のいう「法整備」は真の解決策にはならず、
重要なのは社会の構成員の理解をどうのように得ていくかであり、
それが得られるのであれば、法整備であろうと、企業の自助的努力であろうと、
目的は叶うということです。

そして、この本が上梓されてから5年経った今、
これまでこのブログでも紹介してきましたが、
サステイナビリティやCSR施策は、企業利益に反するものではなく、
企業利益に益するものとして、とらえる企業が増えてきています。

Vogel教授の追跡調査が待たれるとともに、
この業界の急速な変化の息吹も感じます。

CSRを応援する人にも、懐疑的な人にも、
この本は大いに一読に値すると思います。

2011年4月12日で、カリフォルニア州で新たな法案が成立しました。

「2020年までに電力の33%を再生可能エネルギーで供給することを義務付ける」

カリフォルニア州では、2006年に、
2010年までの電力20%再生エネルギー化法案が可決しており、
成立しており、今回、それを20%から33%に大幅に上昇させたことになります。

再生可能エネルギーについて「33%」という高い目標は前例がなく、
野心的な目標と評されています。

この法案に署名をしたジェリー・ブラウン州知事は、背景についてこう語っています。

この法案はカリフォルニア州に重要な利益をもたらす。州内のグリーンテクノロ
ジーへの投資を刺激し、何万もの新たな雇用を創出し、州の大気の質を改善
し、エネルギー自給率を高め、温室効果ガスを削減する
※原文はコチラ

実は、同様の法案は、2008年にも議会を通過していました。
しかし、当時のシュワルツェネッガー州知事は、33%は非現実だとして署名を拒否。
法案を成立させるかわりに、拘束力の弱い「州知事令」として施行しました。

今回の法成立については、昨今のエネルギー事情が大きく影響していると思われます。
北アフリカ・中東アジアにかけての政情不安による原油価格の高騰。
日本での原発事故による原子力発電に対する批判的な意見の増加。
メキシコ湾原油流出事故による原油採掘見通しの後退。
いずれも、再生可能エネルギーの必要性に対する認識を高めることに寄与しました。

この「電力の33%」はどのぐらい野心的なのでしょうか。

下記のグラフは、2004年~2008年までの電力供給源の表です。


※出所:U.S. Energy Information Administration “California Renewable Electricity Profile

2008年の時点で、再生可能エネルギーは、全体の23.5%を占めているのがわかります。
しかし、カリフォルニア州の33%目標は、「再生可能エネルギー」の全体ではなく、
「再生可能エネルギー(水力除く)」の数値についてなのです。
つまり、2008年時点での11.9%を、2020年までに33%にすると言っているのです。
これはすごい躍進です。

このような大胆な目標設定ができるのは、カリフォルニア州ならではの事情もあります。
州内に世界有数のハイテク産業団地、シリコンバレーを抱えているからです。
シリコンバレーには、最先端のグリーンテクノロジーと、
それを支える膨大なマネーが集まっています。
州政府が掲げる目標により、投資家はグリーンテクノロジー開発に対する長期投資を
さらに加速することができるようになります。
そしてそれが、技術開発を促進し、さらに投資を呼び込むという好循環を生むのです。

また、カリフォルニア州は自然条件にも恵まれています。
州の西部には太平洋からの風が吹き、南東部は砂漠地帯で太陽が降り注ぐため、
風力発電や太陽光発電に適した広大な土地を有しているのです。

33%の目標達成のためのシナリオも作成されています。


※出所:カリフォルニア州のサイトコチラの資料

このように複数のシナリオを作成する手法は、「シナリオプランニング」と呼ばれ、
不確実な将来見通しの中で、柔軟に目標を達成する経営手法のひとつです。
 

しかし、この法案には批判も多く集まっているようです。
Financial Times紙の4/19WEB版では、様々な批判が紹介されています。

まず激しく抵抗しているのが、製造業です。
再生可能エネルギーに力を入れてきたカリフォルニア州では、
現在でも他の州に比べて電力価格が50%ほど高い水準なのですが、
カリフォルニア州共和党が、
今回の法律で電力価格がさらに19%上昇すると語っているためです。
※Huffpost Los Angeles, “California Renewable Energy: Brown
To Sign ‘Most Aggressive’ Mandate In The U.S.

国際競争が激化している中でのさらなる電力価格の高騰は、
人員削減や工場閉鎖につながる。
電力消費の大きい鉄鋼業、セメント業、鉱業は警鐘を鳴らしています。

次に反発しているのが、環境保護活動団体です。
今回の法律で拡大が見込まれる太陽光発電に対し、
「砂漠に建設される大規模太陽光発電プラントは動植物固有種に害を与えるため、
太陽光発電は屋根の屋上のみに限定すべき」
と反対しています。

僕はこの法律の野心的な目標設定を応援したいと思っています。
高い目標設定はイノベーションを加速します。
確かに反対派が唱えているように、課題もたくさん存在します。
しかし、いずれにしても電力供給を支えるためには、それらの課題も含めて、
問題をひとつひとつ解決し、前進していかなくてはなりません。

「問題があるから計画中止」というスタンスではなく、
「目標に向けて問題をどう一緒に解決していくか」という協働姿勢が
必要なのではないでしょうか。

3/11に発生した東日本大震災(東北関東大震災)。
多大な被害に対して、各企業が相次いで資金や物資による支援を表明しました。

日本企業からの支援内容は、下のサイトに端的にまとめられています。

青葉哲郎のスマイル航海日誌
「ジャパネットたかたの5億円寄付で調べてみた。東北関東大震災、
義援金リスト100社、総額200億、企業の対応状況速報」

一方、アメリカを中心としたグローバル企業がどのような対応をとったのか?
それについては、米国商務省がサイト上で約250社の情報をまとめてくれています。

Business Civic Leadership Center
“Corporate Aid Tracker – Japanese Earthquake and Tsunami, March 2011″

それを日本語に抄訳しました。

社名
(アルファベット順)
業界 支援内容
Abbott and Abbott Fund
(アボット)
医薬品 現金300万ドルを日本赤十字社へ寄付。
人道支援団体AmeciCaresとの長期救済契約。
Actelion
(アクテリオン)
医薬品 現金2500万円を寄付。
ADM 食品 現金25万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの25ドル以上の寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Adobe
(アドビ)
IT 現金7万5千ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社から1/2を加算寄付するマッチングギフト方式を実施。
Advantest Corporation
(アドバンテスト)
工業機器・化学 現金100万円を寄付
Aflac
(アフラック)
保険 日本オフィスの従業員から集めた現金120万ドルを寄付
Air Products
(エアプロダクツ)
商社 現金2万5000ドルを赤い羽根共同募金へ寄付
Alibaba.com
(アリババ)
インターネット ECサイト上で消費者が救済物資を日本へ送ることができるサービスを展開。LEDライト、防水ライト、ハンドラジオ、毛布、寝袋、テントなどが日本へ送られた。
American Express
(アメリカン・エキスプレス)
クレジットカード 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
救援物資の購入・郵送に際してAMEXのカードを使った場合に割引をするサービスを実施。
Amgen
(アムジェン)
医薬品 現金100万ドルを寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
ammado
(アマンド)
インターネット 日本赤十字社への募金サイトを構築。
AMR Corp.
(アメリカン航空の親会社)
航空 米国赤十字社への寄付に際し、50ドルの寄付で250ボーナスマイル、100ドルの寄付で500ボーナスマイルを獲得できるサービスを実施。
Amway
(アムウェイ)
流通 100万円相当の現金や物品を寄付。
現金250万ドルの募金を会社、従業員、販売店から収集。
従業員や販売店からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額25万ドルまで)を実施。
ホームページ上で米国赤十字社への募金サイトを構築。
ANA Airlines
(全日本空輸)
航空 現金100万円を寄付。
救援物資の空輸を無料で実施。
Applied Materials, Inc.
(アプライド・マテリアルズ)
工業機器・化学 現金5000万円を日本赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(従業員当たり最高10万ドル)を実施。従業員から25万ドルの寄付を収集。
ARAMARK
(アラマーク)
食品 現金25万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Arrow Electronics, Inc.
(アローエレクトロニクス)
工業機器・化学 従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(先着10万ドルまで)を実施。
Astellas
(アステラス)
医薬品 現金100万ユーロと医薬品を寄付。
Astoria Federal Savings
(アストリア・フィナンシャル)
銀行・証券 顧客や地域社会からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額2万5千ドルまで)を実施。従業員からの寄付について会社として1/2を追加寄付するマッチングギフト方式(一人につき50ドルまで)を実施。
AT&T
(AT&T)
通信 現金27万5000ドルを寄付。
3/11~3/31まで、携帯電話利用者に対して、米国から日本への長距離電話料金およびテキストメッセージを無料化。
3/11~3/31まで、住宅からの固定電話利用者に対して、米国から日本への通話を60分間まで無料化。
Avon
(エイボン)
消費財 美容アドバイザーからの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Balance by James Joseph 消費財 4/30までの米国赤十字社への寄付や救援物資オンライン購入について20%分を会社として寄付する方式を実施。
Bank of America
(バンク・オブ・アメリカ)
銀行・証券 現金1億円を寄付(うち5000万円は米国赤十字社への寄付)。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額制限なし)を実施。
全米5800店舗で募金の受付を実施。
バンクオブアメリカのクレジットカードを使った日本への募金送金について海外送金手数料を無料化。
Bank of West
(バンク・オブ・ウエスト)
銀行・証券 現金10万ドルを寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額10万ドルまで)を実施。
4/30まで日本への海外送金手数料を無料化。
BASF 工業機器・化学 現金50万ユーロを赤い羽根共同募金へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Bayer
(バイエル)
工業機器・化学 現金88万ユーロを日本赤十字社へ寄付。
12万ユーロ相当の緊急医療用具を救援物資として提供。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額25万ユーロまで)を実施。
BD 医薬品 現金32万5000ユーロを複数のNPOに寄付。
Best Western
(ベスト・ウェスタン)
サービス 会員ポイントを募金として提供できるサービスを実施。
Biogen Idec 医薬品 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
BMO Financial Group 銀行・証券 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
3/15~4/15まで全米およびカナダの店舗で募金の受付を実施。
4/15まで日本の被災者や親族への海外送金手数料を無料化。
BMW
(ビー・エム・ダブリュー)
自動車・輸送機器 現金100万ユーロをセーブザチルドレンと日本赤十字社へ寄付。
BNPP
(BNPパリバ)
銀行・証券 現金120万ドルを日本赤十字社へ寄付。
Boeing
(ボーイング)
自動車・輸送機器 現金200万ドル(従業員からの募金も含む)を寄付。
Booz Allen Hamilton
(ブーズ・アレン・ハミルトン)
コンサルティング 従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額10万ドルまで)を実施。
BorgWarner
(ボルグワーナー)
工業機器・化学 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Boscia 消費財 ECサイトからの利益の10%を寄付する方針を発表。
BP 資源エネルギー 現金100万ドルを日本赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Bridgestone
(ブリヂストン)
工業機器・化学 現金350万ドルを日本赤十字社へ寄付。
Brookstone
(ブックストーン)
流通 来店者からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式を3/30まで実施。
Brother Industries Ltd.
(ブラザー工業)
工業機器・化学 現金1億円を寄付。
Campbell Soup
(キャンベル)
食品 従業員からの寄付について会社としてのマッチングギフト方式(総額10万ドルまで)を実施。
Canon
(キヤノン)
民生機器 現金3億円を日本赤十字社などに寄付。
救援物資を提供。
Cargill
(カーギル)
食品 現金250万ドルを日本のフードバンク「セカンド・ハーベスト・ジャパン」へ寄付。現金12万5000ドルを日本赤十字社などに寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Cash For Gold USA 銀行・証券 救援物資や募金を使途とするサービスからの利益の10%を寄付すると発表。
Casio
(カシオ)
民生機器 現金1000万円を寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Caterpillar
(キャタピラー)
自動車・輸送機器 現金300万ドルと復興のための重機を寄付。
C&S Wholesale Grocers Inc. 流通 現金1万ドルを米国赤十字社へ寄付。
Chella 消費財 救援物資や募金を使途とするサービスからの利益の10%を寄付すると発表。
Chevron
(シェブロン)
資源エネルギー 現金120万ドルを米国赤十字社とセーブザチルドレンに寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Chrysler
(クライスラー)
自動車・輸送機器 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(加算総額10万ドルまで)を実施。
CHS, Inc. 食品 現金7万5000ドルをCDFと米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を(総額3万7500ドルまで)実施。
Chuao Chocolatier
(チュアオ・ショコラティエ)
食品 ウェブサイトやカフェで購入されたチョコレートバー1つにつき1ドルを米国赤十字社へ寄付すると発表。
Cisco
(シスコ)
IT 食糧を日本のフードバンク「セカンド・ハーベスト・ジャパン」に寄付。
被災した政府機関、企業、NPO等に対してウェブ会議システムを無料で提供。
現金7万5000ドルをCDFと米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を(総額100万ドルまで)実施。
Citi
(シティ・グループ)
銀行・証券 現金240万ドルを寄付。
ウェブサイトに募金ページを開設。
4/5までアメリカから日本への海外送金手数料を無料化。
25ドル以上募金した顧客に対して会員ボーナスポイントを付与。
The Clorox Company
(クロロックス)
消費財 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
CNW メディア・エンタメ 被災関連ニュースからの収益の一部を募金すると発表。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Coca-cola
(コカ・コーラ)
食品 現金3100万ドルを今後3年にわたって寄付すると発表。
その発表までに、730万ドル相当の現金または飲料を提供すると発表していた。
学校等の再建のためのファンドを設立。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を上記の寄付とは別に実施。
Comwave 通信 顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
ConocoPhillips
(コノコ・フィリップス)
資源エネルギー 現金100万ドルを米国赤十字社へ寄付。
Constellation Energy 資源エネルギー 現金5万ドルを米国赤十字社へ寄付。
Continental AG
(コンチネンタル航空)
航空 現金25万ユーロを寄付。
Cox Communications
(コックス・コミュニケーションズ)
通信 3/31まで日本への通話料金やテキストメッセージを無料化。
3/11~3/25にケーブルテレビ「TV Japan」を、カリフォルニア州オレンジ郡およびサンディエゴ、ラスベガス、ヴァージニア州北部の上級会員に対して番組提供。
Creed 通信 オンライン販売の一部を米国赤十字社へ寄付。
CVS Caremark 流通 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(総額30万ドルまで)を実施。
D&H Distributing 流通 日本から仕入れた商品が3/17,18に販売できた分について、そこからの利益の1%を米国赤十字社に寄付すると発表。1万ドルほどになる見込み。
Daimler
(ダイムラー)
自動車・輸送機器 現金200万ユーロを寄付。
救援物資の支援も表明。
DCH Auto Group 流通 現金2万ドルを米国赤十字社へ寄付。
Dell
(デル)
民生機器 現金60万ドルを国際赤十字社へ寄付。
従業員からの寄付に対するマッチングギフト分40万ドルを別途寄付。
Delta
(デルタ航空)
航空 100万ドル相当の現金等を寄付。
最大500万マイル分の寄付を別途実施。
顧客や従業員からの寄付に対して、100万ドル分の追加寄付の意向も表明。
Disney
(ディズニー)
メディア・エンタメ 現金250万ドルを米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高100万ドルまで)を実施。
The Dolls of Albuquerque メディア・エンタメ 3/18~27に公開される新作ショーのチケット代15ドルのうち、2ドルを寄付すると発表。
Doosan Group
(斗山)
工業機器・化学 現金7億ウォンを韓国赤十字社へ寄付。
復興に必要な建築資材の提供を別途表明。
The Dow Chemical Co.
(ダウ・ケミカル)
工業機器・化学 現金200万ドルを相馬市に寄付。
現金300万ドルを相馬地区の同社設備の長期的復興に活用することを表明。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高100万ドルまで)を実施。
Drop Down Deals インターネット ダウンロード1回につき1ドル(最大100万ドルまで)をUNICEFに寄付すると発表。
Entergy 資源エネルギー 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高20万ドルまで)を実施。
Exxon Mobil Corporation
(エクソン・モービル)
資源エネルギー 現金100万ドルを日本赤十字社へ寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高200万ドルまで)を実施。
FedEx
(フェデックス)
物流 現金50万ドルを米国赤十字社などに寄付。
50万ドル相当分の輸送援助をNPO等に提供。
Foresters 保険 現金2万5000ドルをカナダ赤十字社へ寄付。
Forever 21
(フォーエバー21)
アパレル 1日分のオンライン販売での売上の全額を米国赤十字社へ寄付。
Fujitsu
(富士通)
民生機器 現金1億円を寄付。
FXDD IT 現金2万5000ドルを米国赤十字社へ寄付。
顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Gap Inc.
(ギャップ)
アパレル 現金130万ドルを寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
General Atomics 資源エネルギー 同社製の警報機付き放射線量計の在庫すべてを東京電力へ提供。
General Electric
(GE)
民生機器 500万ドル相当の現金、物品等を提供。
従業員や退職者からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
General Mills 食品 現金65万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員や退職者からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高10万ドルまで)を実施。
General Motors
(ゼネラル・モーターズ,GM)
自動車・輸送機器 現金50万ドルを米国赤十字社へ寄付。
従業員からの募金を収集するウェブサイトを開設。
GlaxoSmithKline
(グラクソ・スミスクライン)
医薬品 現金2億円を寄付。
別途、8000万円相当の医薬品、オーラルケア商品を提供。
Goldman Sachs
(ゴールドマンサックス)
銀行・証券 現金5億円を寄付。
Google
(グーグル)
インターネット 現金25万ドルを寄付。
Harley Davidson
(ハーレーダビッドソン)
自動車・輸送機器 現金25万ドルを米国赤十字社へ寄付。
日本法人が復興ファンドを設立し、食糧、水、その他必要物資を被災地へ提供。
Harris 銀行・証券 親会社BMO Financial Groupを通して現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
3/15~4/15の間、日本の被災者への海外送金の手数料を無料化。
Hartford Financial Services
(ハートフォード生命)
保険 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
Hawaiian Electric Co. 資源エネルギー 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
H-E-B 流通 現金10万ドルを米国赤十字社へ寄付。
Hewlett-Packard
(ヒューレット・パッカード)
民生機器 現金50万ドルを米国赤十字社とセーブザチルドレンに寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(35万ドル)を実施。
15万ドル相当の救援物資を提供。
Honda
(本田技研)
自動車・輸送機器 現金375万ドルを寄付。
Hormel 食品 従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高10万ドルまで)を実施。
Tim Hortons 流通 現金10万ドルをカナダ赤十字社に寄付。
The HSBC Group 銀行・証券 100万ドル以上相当を日本赤十字社とセーブザチルドレンに寄付。
Hyundai Motor Group
(現代自動車)
自動車・輸送機器 現金1億円を韓国赤十字社に寄付。
IBM IT 100万ドル相当のサービスや技術を寄付。
IKEA
(イケア)
消費財 毛布、玩具、防寒具、電灯、食糧など救援物資を提供。
IMRA メディア・エンタメ 従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最大2万ドル)を実施。
Infineon Technologies 工業機器・化学 現金10万ユーロを日本赤十字社に寄付。
別途、10万ユーロ相当の電池や飲料水を提供。
ITT 工業機器・化学 現金10万ドルをピースウィンズジャパンに寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最大1万ドル)を実施。
Japanese Karate Assoc. of N.M. サービス 募金活動を実施。
Jefferies 銀行・証券 アジア各支店での1週間の有価証券取引純収益を全額寄付。
3/16のアメリカおよびヨーロッパでの有価証券取引純収益を全額寄付。
現金100万ドルを寄付。
Johnson Controls
(ジョンソン・コントロールズ)
工業機器・化学 現金100万ドルを日本赤十字社に寄付。
Jones Lang LaSalle 不動産 現金1億円を日本赤十字社に寄付。
JPMorgan Chase
(JPモルガン・チェース)
銀行・証券 現金500万ドルを寄付。
JVC 工業機器・化学 携帯ラジオ200台とライセンスフリーのトランシーバー100台を提供。
KCI 医薬品 現金10万ドルを日本赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最大10万ドルまで)を実施。
Kellogg Company
(ケロッグ)
食品 現金25万ドルと25万ドル相当の救援物資を日本赤十字社に寄付。
Key Bank 銀行・証券 従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Koch Industries 資源エネルギー 現金100万ドルを米国赤十字社などに寄付。
子会社のGeorgia-Pacific LLCを通じて、トイレットペーパー、ペーパータオルを提供。
Kodak
(コダック)
民生機器 現金10万ドルを国際赤十字社に寄付。
Kohl’s Department Stores 流通 現金25万ドルを日本赤十字社に寄付。
Korea Yakult 食品 現金200万ウォンを韓国赤十字社に寄付。
Kraft Foods 食品 現金20万ドルを米国赤十字社に寄付。
食糧や復興に要する資金を提供。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Kumho 工業機器・化学 現金2000万円を宮城県、茨城県、福島県にそれぞれ寄付。
The Kyocera Group
(京セラ)
工業機器・化学 現金1億円を寄付。
Lands’ End アパレル 100万ドル相当の防寒具、毛布、タオル、その他必要物資を提供。
Levi Strauss Foundation アパレル 現金5万ドルを国際赤十字社に寄付。
LG 民生機器 現金1億円を寄付。
Lloyd’s Banking Group 銀行・証券 現金5万ユーロを寄付。
Eli Lilly and Company
(イーライリリー)
医薬品 現金最大1億円の寄付を表明。
LivingSocial インターネット 集合募金サイトから約230万ドルを収集。
顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
L.L. Bean アパレル 現金25万ドルを米国赤十字社に寄付。
太陽光発電ラジオ、手動電灯、毛布、寝袋、調理器具を日本の従業員に提供。
L’Oreal
(ロレアル)
消費財 現金130万ドルを日本赤十字社に寄付。
Lockheed Martin 工業機器・化学 現金100万ドルを日本赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(50万ドル)を実施。
Lowe’s
(ロウズ)
流通 現金100万ドルを米国赤十字社に寄付。
会員ポイントで募金ができるサービスを実施。
Lupin 医薬品 現金1000万円を日本赤十字社に寄付。
LyondellBasell 工業機器・化学 25万ドル相当のサービスを提供。
Macy’s, Inc.
(メイシーズ)
流通 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
同社店舗にて$98のチャリティーTシャツを販売し、売上を全額赤い羽根共同募金に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
MAGE SOLAR 資源エネルギー 現金3万5000ドルを寄付。
Magna International
(マグナ・インターナショナル)
工業機器・化学 現金25万ドルを日本赤十字社に寄付。
日本の従業員を救済する震災ファンドを設立。
Manulife Financial Corporation 銀行・証券 現金100万ドルを寄付。
Maritz コンサルティング 現金2万ドルを米国赤十字社に寄付。
MassMutual 保険 現金10万ドルを寄付。
従業員と顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
MasterCard Worldwide
(マスターカード)
クレジットカード 現金25万ドルを寄付。
マスターカードを使った寄付についての手数料を無料化。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Mazda
(マツダ)
自動車・輸送機器 現金3000万円を寄付。
McCormick & Company 食品 顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(5万ドル)を実施。
McDonald’s
(マクドナルド)
食品 現金200万ドルを米国赤十字社に寄付。
MedeFile International インターネット Eコマースの収益の15%の寄付を発表。
Medtronic
(メドトロニック)
医薬品 現金100万ドルを寄付。
The Merck Company 物流 現金125万ドルをセーブザチルドレンと米国赤十字社に寄付。
MetLife
(メットライフ)
保険 現金1億円を日本赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高50万ドル)を実施。
Microsoft
(マイクロソフト)
IT 現金25万ドルと175万ドル相当のソフトウェアを寄付。
被災企業に同社のサービス”Exchange Online”を90日間開放。

Mirai Clinical 消費財 12/31までのEC販売の10%の寄付を表明。
Mitsubishi Electric
(三菱電機)
民生機器 現金5億円を寄付。
Molson Coors Brewing Company 食品 現金5万ドルを国際赤十字社に寄付。
Morgan Stanley
(モルガンスタンレー)
銀行・証券 現金1億円を寄付。
Molycorp, Inc. 資源エネルギー 現金5万ドルを国際赤十字社に寄付。
The Mosaic Company 資源エネルギー 現金100万ドルを米国赤十字社に寄付。
被災した日本企業に対して商船の優先提供を発表。
Motorola Mobility
(モトローラ・モビリティ)
工業機器・化学 現金17万5000ドルをセーブザチルドレンに寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高2万5000ドル)を実施。
Motorola Solutions
(モトローラ・ソリューションズ)
通信 現金30万ドルを米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高10万ドル)を実施。
NCsoft IT 現金5億円を寄付。
NEC Corporation
(日本電気)
民生機器 1億円相当の現金、PC、通信設備、IT設備を提供。
Needak USA 民生機器 売上の1%の寄付を発表。
Neways 消費財 現金5万ドルの寄付。
顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(5万ドル)を実施。
New York Community Bancorp 銀行・証券 顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高15万ドル)を実施。
New York Life 保険 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
Nike
(ナイキ)
アパレル 現金100万ドルを寄付。
別途、25万ドル相当の靴下や衣服を提供。
Nikon
(ニコン)
民生機器 現金1億円を日本赤十字社に寄付。
Nintendo
(任天堂)
民生機器 現金3億円を寄付。
NiSource, Inc. 資源エネルギー 現金2万5000ドルを米国赤十字社に寄付。
Nissan
(日産自動車)
自動車・輸送機器 現金375万ドルを寄付。
Northrop Grumman 工業機器・化学 現金50万ドルを米国赤十字社等に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高50万ドル)を実施。
Novartis
(ノバルティス)
医薬品 300万ドル相当の現金や医薬品を提供。
Novellus Systems 工業機器・化学 現金100万ドルを寄付。
Nukepills.com 医薬品 ヨウ化カリウム5万錠を徳洲会病院に提供。
Orion 食品 5000万ウォン相当の菓子類を宮城県若林区に提供。
Pacific Software Publishing IT マッチングギフト方式(最高1万ドル)を実施。
Panasonic
(パナソニック)
民生機器 現金3億円を寄付。
ラジオ1万台、電灯1万台、電池5万個を提供。
Panda Express 食品 同社店舗にて募金活動を実施。
Panic IT 3/17 10:00~3/18 10:00までのソフトウェア売上を全額、日本赤十字社に寄付すると発表。
Pentair 工業機器・化学 20万ドル相当の移動式給水設備を提供。
Philadelphia Insurance 保険 現金5万ドルを寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Philippine Airlines 航空 ペットボトル水70万本を提供。
PMC Production 工業機器・化学 現金1億ウォンを韓国赤十字社に寄付。
PNM 資源エネルギー 従業員と退職者からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高10万ドル)を実施。
Porsche 自動車・輸送機器 現金50万ユーロを寄付。
Potash Corporation 食品 現金100万ドルをカナダ赤十字社に寄付。
Procter & Gamble
(プロクター・アンド・ギャンブル)
消費財 120万ドル相当の現金、おむつ、ヘア・スキンケア用品、生理用品、ペット用品、浄水設備を提供。
Progress Energy 資源エネルギー 従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高5万ドル)を実施。
Prudential
(プルデンシャル)
保険 現金5億円を寄付。
Qualcomm Inc.
(クアルコム)
通信 現金100万ドルを寄付。
従業員からの50ドル以上の募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高10万ドル)を実施。
QVC, Inc. インターネット 現金10万ドルを寄付。
Qwest メディア・エンタメ 従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高5万ドル)を実施。
Reinsurance Group of America 保険 現金5万ドルを日本赤十字社と米国商工会議所の震災ファンドに寄付。
Rite Aid 医薬品 現金5万ドルを米国赤十字社に寄付。
Ross Stores 流通 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
Russell Investments 銀行・証券 現金12万5000ドルを米国赤十字社に寄付。
Safeway
(セーフウェイ)
流通 現金10万ドルを寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Samsung
(サムソン)
民生機器 現金1億円を寄付。
Henry Schein 医薬品 顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Charles Schwab Foundation 金融NPO 現金25万ドルを米国赤十字社等に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高10万ドル)を実施。
ServerPronto IT 日本全国の顧客に対して支払請求を4月末まで延期。
被災した顧客の従業員に対して、救援団体からの支援を得られるよう無料のサポートを提供。
Shane Co. 消費財 4/17までの養殖真珠の売上の10%を寄付すると発表。
Shell
(シェル)
資源エネルギー 現金200万ドルを日本赤十字社に寄付。
Shiseido
(資生堂)
消費財 現金120万ドルを寄付。
ドライシャンプー1万本、薬用石鹸、薬用化粧水を提供。
Sidney Frank Importing Co. 商社 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
Siemens AG
(シーメンス)
民生機器 従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高1億円)を実施。
医療機器、LEDライトを提供。販売製品の無償修理サービスを実施。
Sony Corporation
(ソニー)
民生機器 現金3億円を寄付。
ラジオ3万台を提供。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。
Southern Company 資源エネルギー 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(最高5万ドル)を実施。
Spansion Inc. 工業機器・化学 現金25万ドルを米国赤十字社に寄付。
被災した従業員に対して、食料、宿泊施設、移動手段を提供する基金を設立。
Spark Energy 資源エネルギー 現金5000ドルを寄付。
Facebookのファンページで3/31までに”いいね!”登録された人数×1ドル(最高2万5000ドル)を別途寄付すると発表。
Sports Endeavors, Inc. アパレル チャリティー用のTシャツを販売し、売上を全額寄付。
Sprint
(スプリント)
通信 募金用のテキストメッセージ送信にかかる通信料を無料化。
Square Enix
(スクエア・エニックス)
IT 現金1億円を寄付。
Starbucks
(スターバックス)
食品 現金120万ドルを米国赤十字社に寄付。
SteelSeries 民生機器 ゲーム用マウスからの収益を全額、日本赤十字社へ寄付。
ゲーム愛好者の募金を促進するため、ゲーム用マウスを25%OFFで発売。
Stop & Shop 流通 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
Summit Electric Supply 資源エネルギー 現金2万5000ドルを米国赤十字社に寄付。
Sun Life Financial Inc. 保険 現金5万ドルをカナダ赤十字社に寄付。
Target
(ターゲット)
流通 現金50万ドルをセーブザチルドレンに寄付。
Tasa Meng アパレル 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
TD Bank Group 銀行・証券 現金12万カナダドルを米国赤十字社に寄付。
TELUS メディア・エンタメ 現金10万ドルを米国赤十字社等に寄付。
TEMPTU サービス 3/31までECサイトでの販売点数につき100ドルを米国赤十字社に寄付すると発表。
3M
(スリーエム)
工業機器・化学 現金250万ドル(従業員募金のマッチングギフト50万ドル分を含む)を寄付。
Topcon Group
(トプコン)
工業機器・化学 現金5000万円を寄付。救援物資を提供。
Toyo
(トーヨータイヤ)
工業機器・化学 現金1億5000万円を宮城県と福島県に寄付。
Toyota
(トヨタ自動車)
自動車・輸送機器 現金3億円を寄付。
Tupperware 消費財 260万ドル相当の食器類を提供。
21 Drops 消費財 5/1までEコマースからの”Carry ON Aromatherapy Blend”の収益の50%を米国赤十字社に寄付すると発表。
Uniqlo
(ユニクロ)
アパレル 現金490万ドルを日本赤十字社に寄付。
860万ドル相当の物資を提供。
Union Bank
(ユニオン・バンク)
銀行・証券 現金25万ドルを寄付。
United Continental Holdings, Inc.
(ユナイテッド航空、コンチネンタル航空の親会社)
航空 米国赤十字社に募金をした人を対象に、50ドル募金の人に250ボーナスマイル、100ドル募金の人に500ボーナスマイルを提供。
UPS 物流 現金100万ドルを米国赤十字社等に寄付。
United Technologies Corp. 工業機器・化学 現金100万ドルを寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(50万ドル)を実施。
U.S. Bancorp 銀行・証券 現金10万ドルを米国赤十字社に寄付。
食料、水、医薬品、その他必要物資を提供。
Vectren 資源エネルギー 現金5万ドルを日本地震支援ファンド寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(2万5000ドル)を実施。
Verisign Inc.
(ベリサイン)
IT 顧客からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(30万ドル)を実施。
Verizon
(ベライゾン)
通信 テキストメッセージ(無料化)を使った募金を実施。
3/11~4/10の間、日本への国際電話およびテキストメッセージを無料化。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(10万ドル)を実施。
Visa
(ビザカード)
クレジットカード 4/30までVISAカードを使った募金の手数料を無料化。
Viterra, Inc. 食品 現金7万5000ドルを米国赤十字社に寄付。
Volkswagen Group
(フォルクスワーゲン)
自動車・輸送機器 現金200万ユーロをドイツ赤十字社に寄付。
Vonage 通信 3/11 6:30~3/18 6:30までの日本への通話料を無料化。
Walgreens
(ウォルグリーン)
流通 現金15万ドルを米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(10万ドル)を実施。
Walmart
(ウォルマート)
流通 500万ドル相当の現金および物資を寄付。
Warner Brothers
(ワーナー・ブラザーズ)
メディア・エンタメ 家庭用ビデオの収益の一部(100万ドル相当)の寄付を発表。
WellPoint, Inc. サービス 現金5万ドルを米国赤十字社に寄付。
Wells Fargo & Company
(ウェルズ・ファーゴ)
銀行・証券 現金50万ドルを米国赤十字社に寄付。
従業員からの募金について会社としてのマッチングギフト方式(50万ドル)を実施。
Western Union Foundation 銀行・証券 現金5万ドルをMercy Corps(ピースウィンズジャパンと提携)に寄付。
従業員からの募金について会社として1/2を追加募金するマッチングギフト方式(50万ドル)を実施(米国外の従業員からの募金については1/3)。
Mercy Corpsへの寄付については、4/14までの間、50ドル以下であれば送金手数料を無料化。
Weyerhauser 資源エネルギー 現金50万ドルを米国赤十字社に寄付。
Xango 食品 食料、水、医薬品を提供。
従業員や販売店からの募金について会社としてのマッチングギフト方式を実施。

■日米での対応の違い

上記の250社の中でもFotune100に入るような企業は、
日本の大手企業とほぼ同額規模の支援を表明しています。
金額には大きな違いはありませんでした。

1.支援内容の違い

一方で対応の違い見られるのは、支援の内容です。
アメリカ企業では、
従業員等に対する「マッチングギフト方式」を採用したところが
目立ちます。
これは、企業としての支援に留まらず、
従業員からの寄付も促進しようということが意図されています。
そうすることで、企業からの支援金額を、
「支援金額×2(企業分+従業員分)」と2倍にできるからです。

2.支援手法の違い

また、アメリカのインターネット企業を中心に、
売上の何%を支援するというような、
企業の販促行動と組み合わせた支援を表明しました。

日本では、支援の「高潔さ」が社会的な意味をもつため、
企業の事業利益と直結させるような支援はあまり好まれていない
ように思います。

アメリカでは、通常ビジネスを通じて、被災地に貢献をするという
発想が社会的に容認されているため、
このような「販促+支援」という手法が採られているのではないかと
思います。

3.支援母体の違い

上記の日本語訳では表現しきれませんでしたが、
多くのグローバル企業は、企業グループの中に財団を持っています。
今回も支援はこの財団を中心に迅速に行われました。

日本企業の多くは、
「寄付・義援金・募金」などの資金的支援と「救援物資」という物的支援を、
経営が中心となって意思決定をしていった一方、
アメリカ企業の多くは、
経営のみならず、幅広いステークホルダー(利害関係者)に対して、
支援を呼び掛けていったという特徴があったと考えています。

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