6月15日、ISO (国際標準化機構)が、
エネルギーマネジメントシステムに関する新たな国際規格“ISO50001″
リリースしました。(※リリース記事はコチラ

ISOはこれまでにも数多くの国際規格を制定してきています。
代表的なものとしては、
  ISO 9000 ”品質マネジメントシステム”
  ISO 14000 “環境マネジメントシステム”
があります。

それぞれの国際規格で定められている内容は、
「企業等が製品やサービスを安定的に供給するための仕組みづくり」
についてです。
ISO9000では、いかにして品質水準を担保していくか、
ISO14000では、いかにして環境汚染を防止するか、
について、その手法が書かれています。

この国際規格は、法律ではありません。
企業が自発的に取り組んでい行くための「指針」として提供されているものです。
そのため、この国際規格に則るか否かは、企業等の組織に委ねられています。
ですが、取引先企業が、国際規格に則るよう要求することもあるため、
企業間の取引の中で、取得が実質的に「義務付けられて」いることもあります。

今回リリースされたISO50001では、
企業や政府がエネルギー効率を高めたり、エネルギーコストを下げたりする手法、
「エネルギーマネジメントシステム」が規定されています。

このISO50001創設の背景には、
エネルギーの持続可能性に関する関心の高まりがあるようです。
ISOは、国際連合工業開発機関 (UNIDO) からの要請を受け、
2008年にISO50001検討のための委員会を発足させていました。

ISOは、このISO50001を通じて、
世界のエネルギー消費量を60%削減できるとしています。

具体的な内容としては、PDCAサイクルの回し方が中心となっています。


※”Win the energy challenge with ISO 50001“より抜粋。

ISO50001は、このマネジメントサイクルの中でも特に、
経営層の役割、導入方法の重要性を強調しています。

一般的にISOについては、
「導入コンサルタント費用が高い」「維持が面倒で忙殺される」等の
批判も多いのも事実です。

ISO50001が幅広く普及するかどうかはまだ未知数ですが、
多くの企業が「エネルギーマネジメント」について取り組みをを開始する
きっかけになっていくといいなと思います。